国内メーカーが設計した7nm製造プロセスのマイニングチップ

次世代マイニングチップは、最新の7nm製造プロセスによって製造されるという。開発メーカーやファウンダリは非公開だが、国内の半導体メーカーと共同研究開発されており、国内製造と公表された。競合製品に比べ56%以上の消費電力効率を予定しており、1チップあたり10TH/秒の処理能力を備えていると説明する。商用の7nm製造プロセスチップとして世界で初めて運用できる製品となる可能性があり、今後のロードマップとして5nmまで視野に入れていると熊谷氏は述べる。

独自に開発された、7nm製造プロセスの次世代マイニングチップ

1モジュールで、10 TH/秒の性能を有しながら、消費電力は500W以下だという

■ 次世代マイニングチップ

  • 製造プロセス・ルール:7nm
  • 予定性能:10 TH/秒(1チップあたり)
  • 消費電力:500W以下(1チップあたり)
  • 給電方式:48V直流給電
  • 体積:競合製品の1/20
  • 対応仮想通貨:ビットコインおよびSHA256方式の代表的なアルトコイン

安価でエコな再生可能エネルギーを利用する次世代マイニングセンター

この半導体チップを利用した次世代マイニングセンターの建築予定地は、北欧。これは、第1に安価で環境にやさしい再生可能エネルギーが利用できること、第2に寒冷な気候によって発熱が抑えられ省電力で運用できることが理由だという。日本で運用する場合と比較し、1/3の消費電力を実現し、コストダウンを図りたいと熊谷氏は述べる。

システムは半導体モジュール8枚で1枚のシステムボードが、システムボード2枚で1枚のブレードが、そしてブレード8枚で1台のタワーサーバーラックが構成される。ラックあたりの性能は1,250 TH/秒(1.25 PH/秒)だ。このラック50台×8列=400ラックでマイニングセンターが構成される予定だ。システム全体の性能は500 PH/秒 (0.5 EH/秒)に上る予定となっており、これは現在の総ハッシュレートの約6.3%にのぼる。

システムボード、ブレード、タワーサーバーラック、システム全景の説明。全体の性能は500 PH/秒 (0.5 EH/秒)

■ 次世代マイニングセンター

  • 予定地:北欧(具体的な場所は非公開)
  • システムボード性能:80 TH/秒
  • システムボード消費電力:4,000W以下
  • ブレード性能:160 TH/秒
  • ブレード消費電力:8,000W以下
  • タワーサーバーラック性能:1,250 TH/秒
  • システム全景:400ラック
  • システム性能:500 PH/秒 (0.5 EH/秒 、500,000 TH/秒) (2017年9月現在の世界の総ハッシュレート:約 8 EH/秒 の約6.3%(1/16)に相当)