【レポート】

独自のローカル路線で地域活性と観光客増加を目指す東急池上線

1 自治体もブランディング向上に協力

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東京急行電鉄池上線が、90周年を迎える。それにともない、東急、品川区、大田区など、池上線に関わる企業・自治体が記者説明会を開催。今後の池上線周辺における地域活性化や観光客誘致などについて、そのビジョンを披露した。

東京急行電鉄 取締役社長 野本弘文氏

説明会では、まず東京急行電鉄 取締役社長 野本弘文氏が登壇。「池上線は池上や洗足池、その周辺地域の開発のために、1922年(大正11年)に開業しました」と切り出す。その後も路線を拡充していき、1928年に大崎広小路~五反田間が開業し、全通した。

説明会には品川区長の濱野健氏、大田区長の松原忠義氏も参加した。複数の自治体の首長が顔をそろえたことからも、今後の池上線に対する期待がいかに大きいかをうかがわせる。

両区長とも、池上線周辺にある観光スポットについて熱く語った。池上線全15駅のうち、5駅がある品川区の濱野区長は「目黒川」を筆頭に紹介し、「冬のイルミネーション、春の桜並木、季節によって異なる顔をみせる川沿いの散策をぜひ皆さんに楽しんでいただきたいです」と話す。そのほか、パワースポットとしてひそかに注目を集める「池田山公園」、星へのロマンを感じる「五反田プラネタリウム」などに触れた。

一方、10駅が存在する大田区の松原区長は、「洗足池」の自然について語った。「一年中、洗足池を撮影し、その写真で個展を開く方もいらっしゃいます」と、いかにこの池の自然が豊かなのか、住民に愛されているのかを強調。また、洗足池周辺を気に入っていた勝海舟に触れ、「勝海舟のお墓を見学できます。将来的には勝海舟記念館を設立したいです」と、そのビジョンを明かす。

品川区長 濱野健氏(左)、大田区長 松原忠義氏(右)

両区長とも区政を担っている為政者であるからには、池上線のブランディング向上に協力をして地域活性につなげたいのが第一義だろうが、ほかの感情も垣間みえた。濱野区長は旗の台駅周辺に住み、松原区長は池上で生を受けた。つまり両区長にとって、もっとも身近な鉄道が池上線で、それだけに相当な愛着があるのだろうと感じ受けられた。

“トーキュー”にちなんだ日にイベント開催

さて、池上線90周年を迎えるにあたり、東急ではイベントを考えている。その目玉が一日乗車券の無料配布だ。“トーキュー”にちなみに10月9日に開催予定で、奇しくも全長10.9kmの池上線が乗り放題となる。東京急行電鉄 鉄道事業本部 沿線企画課 平江良成氏によれば、「首都圏の私鉄大手では、一日乗車券を無料配布するのは初めてではないか」と、このイベントの希少性を強調する。

ただ、課題がないわけではない。池上線そのものと周辺の観光スポットは、どちらかといえばあまり知られておらず、集客にどれくらい効果があるのか……。

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目次
(1) 自治体もブランディング向上に協力
(2) 知名度が劣る東急池上線
(3) ユニークなラインナップの生活名所
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