島津製作所は9月4日、乳がん検査に用いる乳房専用PET装置「Elmammo」(エルマンモ)の改良モデル「Elmammo Avant Class」(エルマンモ アヴァン クラス)を発売した。

乳房専用PET装置「Elmammo Avant Class」

昨今、女性の乳がん罹患率が増加しており、国立がん研究センター発表の「がんの統計'16」では、女性の部位別罹患数において乳がんは1位、死亡数は5位となっている。早期発見・早期治療が生存率向上に寄与する(ステージ1期での発見であれば10年生存率は90%超)ため、検診の必要性も周知されている。

しかし、代表的な検査法であるマンモグラフィーは、若年層、また乳腺が発達している人(高濃度乳腺)が受けた場合、乳腺と腫瘍が同じように白く写るため異常が見つけづらく、また圧迫痛など検査に伴う苦痛なども問題視されている。

マンモグラフィーとElmanmoの違い

検査時のイメージ

「Elmammo」は、乳房専用のPET装置で、患者はベッドにうつぶせになり、穴に乳房を差し込むような形で横になって検査を行う。2014年9月に製品化され、これまでに10件の医療機関で導入されている。検査時の苦痛は少なく、また前述の高濃度乳房に対しても有効であるとの報告もなされているという。

乳房に特化した検査装置で、全身PET装置では難しい小さな腫瘍なども検知できるという

全身PET/超音波では検出できなかった症例(左)、高濃度乳房での症例(右)

新型である「Elmammo Avant Class」では、従来型よりも検出器を上部に配置し、寝台と検出器の距離を短縮するなどして、あばら骨付近(胸壁)のブラインド範囲を狭め、さらに精度を向上させたという。画像処理の高速化も行われ、これまで6分かかっていたものが3分程度に短縮できたと語られた。

前機種からの改良点

また、導入費用の低減を図るため、現場での運用をフィードバックして検出器を全機種より浅くし構造を最適化した。初代「Elmammo」の価格は4億円(税別)だったが、今回の「Elmammo Avant Class」は3億5千万円から(税別、システム構成により変動)となっている。

「Elmammo」での検査を保険適用で受けるには

「Elmanmo」の納入実績

「Elmammo」および新型の「Elmammo Avant Class」による検査は保険適用が可能だが、全身PET装置による診断を受診する際のオプションとして、同日に受ける必要がある。患者の視点で言えば、検査費用は4~5万円程度(診療報酬は12~13万円)だ。

現状、同機での検査を受けているのは、乳がんが発覚して精密検査を行うという目的の人や、全身用PET検診の受診者。後者は保険適用の必要上そうならざるを得ないものだが、このような規定になっているのは、一度の検査薬投与で済むためだという。

販売目標は、3年間でおよそ50台とした。同社は、「高濃度乳房の補助スクリーニングでの有用さが認められれば、より(Elmanmoの導入が)広がるのでは」と語った。