リコーは8月31日(現地時間)、独ベルリンで開幕する家電関連展示会「IFA 2017」に合わせて、360度カメラ「THETA V」の発表会を開催した。4K解像度での360度動画の撮影に対応し、高画質化を図るとともに、AndroidベースのOSを採用することで機能拡張性を高めた。欧州での発売は9月17日からで、価格は449ユーロ。国内での発売は9月下旬からで、価格はオープン、推定市場価格は5万円台の前半となっている。

THETA V

THETAは、縦長ボディに2つの180度カメラを搭載し、撮影した画像を合成して1回のシャッターで360度の画像を生成する全天球カメラ。同ジャンルの先駆者として高い人気を誇るが、これまでは2K解像度止まりだった。

THETA V(左)とTHETA Sとの動画の比較。従来に比べて解像感が高くなった

THETA Vでは、新たに4K解像度となる3,840×1,920(29.97fps・56Mbps)の動画を撮影できるようになった。静止画は5,376×2,688ドット。USB経由でのストリーミング撮影も可能で、同様の4K解像度・29.97fps・120Mbpsとなる。

THETA V。従来のTHETA Sなどと比べるとデザインやサイズ感は同等

側面。一方には電源ボタンやモードボタンなどを配置

底面にはUSB端子、三脚穴、マイク端子がある

撮像素子には、1,200万画素の1/2.3型CMOSセンサーを2つ搭載。レンズは6群7枚構成で、F値はF2.0だ。

4K解像度に対応するために、プロセッサとして新たにQualcommのSnapdragonを採用。Snapdragonは、スマートフォン向けだけでなく、アプリケーションプロセッサとしてカメラをはじめとしたさまざまな用途に使われており、4Kの撮影、再生などの処理を行うのに十分なパフォーマンスを備えている。

Snapdragonを搭載

THETA VではSnapdragonを採用することで、安定した4K処理が可能になった。Snapdragonの14nmプロセスによる低消費電力、低発熱によって、負荷の高い長時間の4K映像の撮影も可能になった、としている。

SnapdragonにはISP(Imaging Signal Processor)も用意されており、これにリコーが培った画像処理技術を盛り込むことで、従来よりも高画質化を図った。Snapdragonの高性能なGPUも生かして高解像度映像の処理を行っているそうだ。

静止画画質も向上した

サウンドも強化し、4つのマイクを搭載したことで全方位からの音声を記録する4Ch録音に対応。底面にはマイク端子を搭載し、外部マイクの利用も可能。オーディオテクニカ製の3Dマイク「TA-1」も新たに用意され、さらに高音質での記録が可能だ。

単体でも360度のサウンドをカバーするが、外部マイクでさらに音声録音を強化できる

5GHz帯に対応するなど、無線LAN性能も向上。既存モデルのTHETA Sでは2K解像度・10秒の動画の転送に37.4秒かかったが、THETA Vでは3.6秒まで削減。4K解像度・10秒の動画でも12.7秒と高速な転送が可能。Bluetoothにも対応し、スマートフォンと常時接続することで使い勝手も向上する。

無線LANとBluetoothの併用で使い勝手がさらに向上。無線LANの転送速度も大幅に向上した

OSには、スマートフォンにも使われるAndroidをベースにして採用。ディスプレイがないため、スマートフォンのようには利用できないが、機能の拡張がより容易になった。例えば、THETAと無線LAN対応テレビを接続し、THETA V内の映像をテレビに表示して、さらにTHETA V自体をリモコンのようにして360度動画を操作して再生する、というリモート再生機能などを想定している。

OSはAndroidベースに

リモート再生機能を今後計画中

それに加え、要望の多かったRAW撮影機能、外部記録機能、ワイヤレスのライブストリーミング機能などを、今後提供していきたいとしている。ただし、現状はまださまざまな仕様を検討中ということで、登場時期などは明らかにされていない。

将来的な計画

一般の開発者にも自由に開発してもらいたい考え

さらに、今後API・SDKを提供し、一般の開発者が機能拡張できるプラグインを開発できるようにしていく考え。Androidベースのため、「Androidアプリの開発者であれば(ディスプレイがないなどの一部を除けば)開発できる」と同社では話している。当面は、同社自身が開発して情報をまとめ、それから開発者に公開していく意向だ。

4K解像度に対応したことで、Googleストリートビューへの360度画像のアップデートにTHETA Vが対応

欧州での発売日と価格。本体は9月17日から。30mの防水ケースはTHETA S/SC/V対応で10月17日から、199ユーロ。TA-1は9月17日から、269ユーロ