【レポート】

IoT時代に必要なのはITを根底から支えるインフラ人材 -「AITAC」設立

高度ITアーキテクト育成協議会(AITAC)は8月28日に設立発表会を開催し、同団体設立の背景や目的、取り組み内容などを紹介した。

AITACはIoT時代に求められる「高度ITアーキテクト(ソフトウェアによるITインフラ運用・管理スキルを有する人材)」の育成を目的とした団体。慶應義塾大学 環境情報学部長 兼 慶應義塾大学 環境情報学部 教授である村井 純氏が理事長に就任し、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、NEC、KDDI、シスコシステムズ、日商エレクトロニクスの6社が理事を務める。

慶應義塾大学 環境情報学部長 兼 慶應義塾大学 環境情報学部 教授の村井 純氏

団体設立の背景として、理事長の村井氏は「昨今、すべての生活や産業がインターネット、データの利用を前提としたものになってきている。特に技術の進歩は目覚ましく、データの処理速度や処理量、ストレージ分散技術など高度化が進んでいる。この先も技術や目的を理解し、どのような対応が必要か判断して発展させることのできる人材が圧倒的なスケールで必要になってくるだろう。そのために、高度ITアーキテクトを生み出すための環境を用意しようとしたことがきっかけだ」と述べた。

経済産業省の統計では、2020年に不足する情報セキュリティ人材は約20万人、先端IT人材は4.8万人になると予測。AITACは、この先IT企業だけでなくユーザー企業でもITを活用できる人材が求められるようになり、さらに相当量のIT人材が不足すると見込んでいる。

特にIoT時代には、従来のようにサーバエンジニアやネットワークエンジニア、プログラマーといった役割ごとに分散するのではなく、すべてを理解して"アーキテクトできる"人材が求められるという。ITの根底を支えるのがインフラアーキテクトであり、データとデータを有機的に結び付けて思い描いたアイデアやサービスをすぐに具現化し、インフラを武器として使えるような人材育成がますます必要になってくるのだ。

そこでAITACの目指す人材像として掲げたのが、どこに何を組み合わせることでシステムを効率的に構築できるのか理解し具現化できる"トップアーキテクト"、領域をまたがって活躍できる"フルスタックエンジニア"、そして"システムを運用できるエンジニア"だ。

AITACが育成を目指す人材像

AITACでは目指すべきITアーキテクトを育成するために、学習体制の構築などを行う。育成のステップとしては、座核と演習を行う「STEP1」、実戦形式の「STEP2」、実際の企業などの現場により深く入ってプロフェッショナルアーキテクトを養成する「STEP3」の3段階に分かれる。

教育プログラムについては、1回作って終わりではなく時代に合ったものにアップデートしていく必要があるため、技術を一つひとつ追うのではなく「理解できる能力を身につけること」を本質として、毎年カリキュラム更新していくという。

人材育成のステップ

カリキュラム例。ここに書かれている内容はプログラムの前半の1/3程度とのこと

体制としては大学や大学院などで座学を実施するところから始まり、実習を経て加盟企業などでインターンシップを行うというステップを踏む。慶応義塾大学の湘南藤沢キャンパスでは9月から、AITAC主催のセミナーとしては年内から実際の講義がスタートする予定だ。

事業推進体制のイメージ

なお、同団体の会員区分は、入会を申し込んで承認を得た法人または個人である「正会員」、同法人の事業を賛助するために入会を申し込んだ法人または個人である「賛助会員」、同法人の事業を賛助するために入会を申し込んだ公益団体や公益法人などの「特別会員」の3つに分かれる。

会費と会員の権利

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