アニメ、舞台などさまざまな活躍を見せる2.5次元アーティストグループ、ツキクラが2017年8月30日に2ndシングル「僕らはSummer」をリリースする。彼らは『ツキウタ。』などで知られる架空の芸能事務所「ツキノ芸能プロダクション」に所属するユニット、「劇団アルタイル」の声優としての顔も持つ。今回のシングルは、キャラクターとともに臨んだ「ツキクラ×劇団アルタイル総選挙」(通称:クラ劇総選挙)の上位6名がメインボーカルに抜擢され、カップリング曲も順位に合わせたユニット編成になっているなど、クラ劇総選挙の結果が反映されたものになっている。

市川太一(いちかわたいち)。2月4日生まれ。東京都出身。VIMS所属。『劇団アルタイル』では東雲ユウリ役を担当(右)
井上雄貴(いのうえゆうき)。1月23日生まれ。神奈川県出身。マウスプロモーション所属。『劇団アルタイル』では市ヶ谷リンタロウを担当(左)

今回は、クラ劇総選挙で1位を獲得した市川太一と、4位の井上雄貴にインタビューを実施。新曲について、またクラ劇総選挙を経た現在の思いや、2期生も加入しますます盛り上がっていくツキクラの活動について語ってもらった。

MV撮影で大はしゃぎ! 井上が仕掛けたイタズラとは?

――2ndシングル「僕らはSummer」は夏にぴったりの爽やかな曲になっていますね。

井上 そうですね! ドライブしながら聴いたらすごく合うんじゃないかなと思います。オープンカーで海沿いの、例えば134号線とかドライブしながら(笑)。「波のSlider」とか、水に関する言葉が歌詞に出てくるので、海に出かけた時にぴったりですね。でも、ミュージックビデオではメンバーでキャンプをしているので、山の中で聴いてもいいかもしれない。

市川 そうだね。キャンプで準備している時とか、ご飯を作っている時にスピーカーから流れて来ても、ぴったりだと思います。夏だったら、どんな場面にも合う曲になりました。

――昨年12月にリリースしたデビューシングル「未来のPiece」の時と比べて、収録はいかがでしたか?

市川 今回は「劇団アルタイル」としてキャラクターをいただいてから初めてのシングルなので、キャラクターの気持ちを歌に乗せる意識をもって 収録に臨みました。「未来のPiece」ではまだキャラクターが居らず、僕自身として歌わせて頂いていたので、そこが大きな違いかなと思います。

井上 「未来のPiece」 の時よりは楽しんで歌えるようになったかなと思います。あのころは「上手に歌わなきゃ」とか「がんばらなきゃ」って気持ちが強かったんですけど、今回は自分なりに、キラキラした夏の曲を、のびのび楽しんで歌えた気がします。

――劇団アルタイルの市ヶ谷リンとしては、歌いやすかったですか?

井上 歌いやすかったですね。リンちゃんは多分、夏にハッスルしているだろうなっていうイメージがあるので。みんなの手を引っ張って「いきましょいきましょー!」って海に走って行きそうな。「イズモさん(古畑恵介演じる大崎イズモ)! ほらヤドカリー!」「おいやめろよー!」みたいなのをやってそう(笑)。

――市川さん演じる東雲ユウリは、お母さんが北欧生まれの物静かなキャラクターで、夏というよりは冬が似合う印象があります。「僕らはSummer」を歌う上での難しさはありましたか?

市川 わりとアッパーめな曲なので、キャラクターとして歌う時に悩むところはありました。ディレクターさんと相談しながら、あまり声を張りすぎないように、だけど楽しそうに……ユウリらしく優しく曲に溶け込んでいくイメージで、なんとか形にした曲です。

――この曲のお気に入りなところはどこですか?

井上 色々あるんですけど、やっぱ僕はイズモが歌うBメロの「灼けた砂よりずっと」のところのインパクトの強さですね。イズモ感あるなーっていう。イズモ、レコーディング楽しかったんだろうなっていうオレ様感を感じます(笑)。

市川 僕も好きなところはたくさんあるんですけど、Aメロのトウマくん(糸川耀士郎演じる神谷トウマ)の「レインボーカラーの夢」っていうフレーズが特にお気に入りです。歌い方がすごく好きなんです。

井上 それミュージックビデオの撮影でもずっと言っていたよね。

市川 ずーっと(小松)準弥くんと真似しながら歌っていて、リップシンクの撮影する時も自分のパート以外は歌っちゃいけないって言われていたのに、二人して思わず歌ってしまってNGが出ました(笑)。そのくらい、好きなパートです。

井上 「ラーの」ってとこにちょっとニュアンスが入っていて、ようちゃんというかトウマっぽい。そこがかっこいいんだよね。

――ミュージックビデオのお話が出ましたが、今回の撮影はいかがでしたか? メンバーでキャンプをしているとのことでしたが。

井上 河口湖のそばにあるキャンプ場を一日お借りしての撮影で、僕らも撮影していてずっと楽しかったですね。メンバーみんなで仲良くわちゃわちゃわいわいしている、素の表情が出たミュージックビデオになっています。

市川 昨年TOKYO MXで放送されていた『ツキプロch.』の撮影で行った、合宿を彷彿とさせるミュージックビデオになりました。カレーを作ったり、トランプで遊んだり。

井上 水鉄砲とかシャボン玉で遊んだりね。撮影の合間にもそういう小道具で遊んでたよね。僕は楽しくなりすぎちゃって、大海(将一郎)くんの口の中に水鉄砲を思いっきりブシューって発射するイタズラとかしてましたね(笑)。そんなにすごく勢いのある水鉄砲じゃないですよ! でも、よいこは真似しないでください……。

市川 意外にイノエルはそういうとこあるよね(笑)。僕も撮影の合間は、トランプやフリスビーやサッカーボールで、メンバーとずーっと遊んでいました。この日は朝早い時間から集まっての撮影だったんですが、普通だったら疲れて途中で寝ちゃったり休憩を入れたりするのに、その日は終始体を動かして遊んでいましたね。

井上 終わるころには真っ暗だったよね。

市川 楽しかったから、あっという間だったよね。最近、ツキクラメンバー一期生全員で集まって何かをする機会が減っていたので。、『ツキプロch.』を収録していた頃のワイワイガヤガヤ感がすごく嬉しかったですね。

クラ劇総選挙、市川の1位発表の影では……

――今回の「僕らはSummer」は、「ツキクラ×劇団アルタイル総選挙」の結果、選ばれた上位6名がメインボーカルを担当されています。ツキクラではその前にも、「未来のPiece」のカップリング曲をかけた選抜総選挙が開催されていましたが、前回と今回では、選挙に臨む心境の変化はありましたか?

井上 今回は僕たちと一緒に劇団アルタイルのキャラクターも投票候補になっていて、一緒に臨んだので、その安心感が大きく違いましたね。一緒に頑張ろうって感じでした。前回の総選挙はインターネット上での投票と、スタッフの方たちの投票と、イベントでの最終的な投票で決める形だったのに対して、今回はCD とかファンブックとか、モノについている投票券で投票していただく形式に大きく変わったけど、僕らは自分自身で総選挙を一回やっていたので、前回ほど総選挙ってことへの気負いがなかったですね。

――気負いがなくなったというのは大きな変化ですね。

井上 キャラクターと一緒にいつも通りがんばって、その結果いただいた順位で頑張ろうって思っていました。前回、多少不安な部分もあったんですよね。自分自身のっていうこともあったし、初めての総選挙で、不安に思う部分が多少はあったんですけど、今回はキャラクターっていう心強い味方がいる中での総選挙だったので、前回よりは安心して頑張れたような気がします。

――市川さんは、前回の総選挙で「未来のPiece」のカップリング曲を歌う選抜から漏れ、今回の「クラ劇総選挙」を迎えましたが、臨む際の心境の変化はありましたか?

市川 前回は残念ながら選抜から漏れてしまいましたが、前回その結果があったからこそ開き直れたと思う部分があります。結果がどう転んでも納得できる自分が居ましたし、キャラクターと一緒に臨んだ投票でもあったので、前回に比べて僕も気負わずに当日を迎えられました。やっぱりキャラクターの存在は心強かったですね。

――5月に行われた『TSUKINO CROWD FESTIVAL 2017 SPRING』(通称:クラフェスSPRING)で結果が発表されました。市川さんは1位で自分の名前が呼ばれた瞬間の心境はいかがでしたか?

市川 本当に有難うございますという気持ちでいっぱいです。僕は去年、選抜に入ることができませんでした。選抜から漏れたメンバーもSargasというユニットを組ませていただきましたが、選抜ユニットに比べて僕らは、クラ劇総選挙の投票期間中も活動する機会がそれほどありませんでした。その中でこうした順位を頂けたというのは、とても奇跡的なことだと思っています。だから、本当に感謝しかありませんでした。なにより、メンバーが素直に祝福してくれたのも、本当に嬉しかったです。あとから同じSargasの(西野)太盛くんから聞いたんですけど、1位が発表される直前に、同じSargasの筆村(栄心)くんが小声で「太一くん、入れ!」て言っていたのが聞こえたって教えてくれて。選挙を経て、そんな風に思ってくれるメンバーの気持ちも乗せて、ステージに立っていかなきゃいけないという覚悟が生まれました。

――クラフェスの時にも、「選抜外から唯一選抜入りしたメンバー だからこそできることがある」とおっしゃっていましたね。それは何ですか?

市川 具体的にこうしていく、……という提案は僕だけの力では無理ですが、僕としてはやっぱり、メンバー同士の関係性を保つこと。 選抜されようが、されまいが、みんなで一緒に楽しくやっていこうっていう気持ちを、どこに立つにも持って臨むという事を大切にしたいと考えています、。「市川太一」個人という前に、「ツキクラ×劇団アルタイル」のメンバーとして、みんなの気持ちを背負っていきたいし、みんなと一緒に歩いていきたいと思っています。