ビッグデータの利活用で、SSDへの要求がさらに高まる

IHSグローバル株式会社の南川明氏は、「SSD市場展望とNAND需要予測」と題した講演。

世界の電力需給は2025年以降に逼迫するため、特にデータセンターでの消費電力削減が急務である。また、IoTによるビッグデータ拡大で、必要なストレージ容量の拡大が続く。SSDのGB単価は年率28%で下落しているのに対し、HDDのGB単価は年率4%しか下がっていないため、GB単価は急速に接近している。

休憩を挟んで、IHSグローバルの南川明氏が「SSD市場展望とNAND需要予測」と題した講演を行った

世界の電力消費量の推移。2025年以降に世界の電力需給に問題が生じるため、データセンターでの消費電力削減が急務である

SSDのマーケットシェアは、Samsungが1位であり、今後もIoT普及に伴うビッグデータ活用により市場規模の拡大が期待される。この2~3年でSSD向けNANDフラッシュは、プレーナ型NANDフラッシュから3D NANDフラッシュへと急速にシフトし、2017年中には3D NANDフラッシュのビットコストがプレーナ型と並ぶ可能性がある。また、NANDフラッシュの需給については、2017年第2四半期はSSDが好調のため不足しており、値上げが続いている。特に3D NANDフラッシュは不足が拡大しており、2017年一杯は不足感が継続するとのことだ。

エネルギー不足、環境破壊、資源不足、医療不足といった問題を解決するにはIoTが有効であり、ビッグデータの利活用が起こり始める。電力消費、高速化の要求からSSDへの要求はさらに高まり、NANDフラッシュの3D化がSSDの普及を後押しする。

IoTによるビッグデータ拡大で必要なストレージ容量の拡大が続く

IoTにより、データ通信量はうなぎのぼり。2015年には6ZBのデータのうちストレージされるデータは1.5ZBだったが、2020年には44ZBのデータのうちストレージされるデータは6.5ZBに増加

HDDとSSDの市場予測。HDDの台数は減少傾向にあるが、市場規模は底打ちして回復。ビット需要では、SSDの普及拡大に伴い平均単価も下落が続く

HDDとSSDのGB単価推移。SSDのGB単価は年率28%で下落。HDDのGB単価は年率4%で下落すると予想しているため、急速に接近している

エンタープライズ向けHDDとSSDの市場予測。オールフラッシュアレイの急拡大でHDD出荷は減少傾向だが、システム容量の拡大により、売り上げは増加。SSDは台数、売り上げともに拡大が続く

2016年のSSDマーケットシェア。Samsungがシェア1位を獲得しており、IntelとWDがそれに続く

NANDフラッシュの市場予測。市場規模は500億ドル規模になったが、次の市場拡大は2020年以降にIoT普及に伴うビッグデータ活用が期待される

この2~3年でSSD向けNANDフラッシュは、プレーナ型NANDフラッシュから3D NANDフラッシュに急速にシフト。2017年中には、3D NANDフラッシュのビットコストがプレーナ型と並ぶ可能性が

NANDフラッシュの需給について。2017年第2四半期はSSDが好調のため不足しており、値上げが続いている。特に3D NANDフラッシュは不足が拡大しており、2017年一杯は不足感が継続するという

まとめ。エネルギー不足、環境破壊、資源不足、医療不足といった問題を解決するにはIoTが有効であり、ビッグデータの利活用が起こり始める。電力消費、高速化の要求からSSDへの要求はさらに高まり、NANDフラッシュの3D化がSSDの普及を後押しする