ワコムが7月31日に発表、8月4日に発売した「Bamboo Ink」は、ワコムAESテクノロジーと、Microsoft Penプロトコルの両方のペン入力方式に対応し、Windows搭載タブレットや2in1 PCなどで利用できるスタイラスペンです。

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ワコムのスタイラスペン「Bamboo Ink」は、ワコムAESテクノロジー、Microsoft Penプロトコルのどちらに対応したタブレット、2in1 PCでも利用可能ですが、実はそれぞれで活用できる機能は異なります。

「ThinkPad Yoga 260」(写真奥左)はワコムAESテクノロジー、「Surface Pro 4」(写真奥右)はMicrosoft Penプロトコルに対応しています

たとえばMicrosoft Penプロトコルに対応したSurface Pro 4で利用できるのは、基本的には標準のスタイラスペン「Surfaceペン」と変わりません。カスタマイズできるのはノック部分のボタンのみで、ここのシングルクリック、ダブルクリック、長押しに対して、Windows10標準のペン機能「Windows Inkワークスペース」の各ツールや、任意のアプリの起動を割り当てられるだけです。

Windows Inkワークスペースには「スケッチパッド」、「付箋」、「画面スケッチ」などが用意されており、デフォルトではこれらのツールが割り当てられています。カスタマイズはもちろん可能なので、これはこれで便利です

しかしワコムAESテクノロジーに対応した端末(今回はThinkPad Yoga 260を使用しました)では、ドライバをインストールすることで、ノック部分のボタンだけでなく、ペン横のふたつのボタンにも任意の機能を割り当てられます。端末によっては、メーカー側ですでにインストールされている場合もあります。

ワコムの製品ページ(http://www.wacom.com/ja-jp/getting-started/bamboo-ink)からドライバをインストールすることで、設定アプリケーションが利用可能になります。インストールするのは「Bamboo Ink Stylus Driver 7.3.4-36 (Win10)」です ※バージョン番号は変更されている可能性があります

Bamboo Inkの設定アプリケーションは、「設定→デバイス→ペンとWindows Ink」の右上に表示されている「アプリを開く」から起動します

「ThinkPad Yoga 260」の標準設定では上側のペンボタンにはスケッチパッド、スクリーンスケッチ、Cortana、ペン横のボタン(上側)には「ペン横のボタン」、ペン横のボタン(下側)には消しゴムが割り当てられています。それぞれのボタンにはマウスの機能や各種アプリケーションの起動まで任意に設定できます。またペン先の感度や、タップした際に画面に波紋エフェクトを表示するかどうかも設定可能です。なお、標準設定は各デバイスの設定により変わり、Bamboo Inkの標準設定はデバイスの標準ペンの設定と同じになります

つまりBamboo InkはワコムAESテクノロジー、Microsoft Penプロトコルに両対応していますが、前者(AES)に対応した端末ではより自由度の高い利用が可能になるわけです。第2回の「Surfaceでも使える! ワコムの新スタイラス「Bamboo Ink」が面白い - 第2回 気になる使い勝手は?」で試した通り、Bamboo Inkは傾き検知機能には対応していませんが、カスタマイズ性の高さという点では新型Surfaceペンより勝っています。どちらを選ぶかは悩みどころですね。

1本のスタイラスペンをとことん使いたい方にもってこい!

筆記具を変えるのは実は結構なストレスです。大量の文字を書く際や、繊細なイラストを描く際に、「このペンじゃないとダメ!」と長年1本の筆記用具を愛用している方も多いのではないでしょうか? 手に馴染んだ1本のスタイラスペンを機種変更しても使い続けたい、ノックボタンを全部の機種で使えなくてもスタイラスペンを共有したいと言う方にはBamboo Inkはもってこいの製品です。

レノボのThinkPad Yoga 260、「同Yoga 370」、「同X1 Yoga」などは本体内にスタイラスを収納できる仕組みが超絶便利なので、すべてのタブレット、2in1 PCがYogaシリーズの排気口の埃を煎じて飲むといいなあと個人的には思ったりしますが、手帳用のボールペンサイズで大量にメモ書きしたり、イラストを描くのは厳しいです。自宅ではBamboo Ink、外出先では標準スタイラスというのがYogaシリーズの最適解だと考えます