【レポート】

プレミアム商品で「ポテチ飽き」を打開? 湖池屋が高級路線をとる理由

1 消費者はポテチに飽きている?

圓岡志麻
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ここ数年、「プレミアム」の名称を冠した高付加価値商品が好調だ。スナックの市場でも、ポテトチップスの湖池屋が“高付加価値商品”を取り入れるべく、本格的に動き始めた。2017年9月4日にコンビニ、同18日にスーパーなどの一般チャネルで発売となる新商品に大きな期待をかけている。

湖池屋の商品群

出荷額24億円超の大ヒットシリーズに新商品

新たに発売されるのは、2017年2月に立ち上げた「KOIKEYA PRIDE POTATO」シリーズに連なる商品。「手揚食感 長崎平釜の塩」と「手揚食感 柚子香るぶどう山椒」の2種類だ。

同シリーズのコンセプトは、素材にこだわるほか、下ごしらえを含めた調理などをより丁寧に行い、理想のおいしさを追求するというもの。価格も150円前後(参考価格)と、既存の「ポテトチップス」シリーズより30円程度高い。しかし「高付加価値スナック」という狙いが当たり、インパクトのあるCMとあいまって、一時は供給が追いつかず、販売が休止となるほどの売れ行きを見せた。5月末までの5カ月間で出荷額は年間目標の20億円に達し、8月時点では24~25億円にのぼるという。

「KOIKEYA PRIDE POTATO」シリーズ。上段左が「長崎平釜の塩」、上段中央が「柚子香るぶどう山椒」だ

なお、供給不足については、販売が予測を大幅に上回ったことだけでなく、昨年8月、北海道を襲った台風の影響による、じゃがいもの大不作も背景にあった。とはいえ、そうした逆境にありながらも、高付加価値スナックに対する潜在ニーズはしっかりと確かめられたわけだ。今回は作付けを増やすなど供給体制を見直し、満を持して新商品を発売することになる。

湖池屋の佐藤章代表取締役社長は、「昨年の台風によるショックから、ポテトチップスの業界全体が、店頭の品揃えその他を見ても戻っていない。大きな課題を抱えながらも、スナック業界ではチャレンジャーである当社が、スナックの価値向上を目指す。市場を元に戻すだけでなく、高単価、本物志向という新しいニーズを狙っていく」と話す。

高付加価値化戦略の説明会に登壇した湖池屋の佐藤章代表取締役社長(左)と小池孝代表取締役会長

プレミアム商品登場の背景は

高付加価値商品を売り出す市場背景としては、ポテトチップスの平均売価が下落するとともに、売り上げも減少してきているというデータがあるという。つまり「安いだけでは売れない→ポテトチップスに飽きている消費者が少なからず存在する」とみることができる。一方、社会的には少子高齢化や所得の二極化、世帯あたり人数の減少、女性の社会進出による外食、中食市場の高まりといった変化がある。

これらを併せて考えると、食のプレミアム化、高価格化は必然だったと言える。現にチョコレートやアイスクリームなど、他のカテゴリではこうした改革が先行している。湖池屋としては、スナック業界のなかでいち早くプレミアム化を図り、中食やおつまみの市場へと参入する狙いもある。

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インデックス

目次
(1) 消費者はポテチに飽きている?
(2) 日本産100%という強みに高級志向をかけあわせる
(3) 「幻のじゃがいも」で最高級アイテムを追加
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