メイトで売上高の25%を稼ぐ

ジーンズメイトの業績はリーマンショック以来の低迷から抜け出せておらず、2017年2月期までは「9期連続の赤字」(宇山氏)を計上している。10年前は200億円を超えていた売上高も、ここ数年は100億円を切る水準で右肩下がりという状況だった。2017年2月にはRIZAPが同社を買収。そして今回のメイト立ち上げが、ジーンズメイトのリブランディングが成功するかどうかの最初の試金石となる。

メイトの立ち上げにより、ジーンズメイトではPBの売上拡大を図る。宇山氏によると、ジーンズメイトの売上高に占めるPBの割合は現状で3割程度。これを5割に拡大し、そのPB売上高のうち、半分をメイトで稼ぎ出すのが当面の目標だ。つまり、メイトを全売上高の25%を担うところまで拡大していくということになる。

ジーンズメイト復活の鍵となるメイト。デニム(スキニー以外)のバックポケットには、メイトの「M」と富士山をイメージさせるバックステッチが入っている

NBとPBのミックスで独自性を示せるか

PBを拡大するからといって、ジーンズメイトが製造小売業(SPA)を目指すかといえばそうではない。「ジーンズメイトの良さはNBがあること」と語る宇山氏は、NBとPBを組み合わせてジーンズメイト独自のコレクションを構築する考えだ。メイトのデニムに淡色が多いのも、例えば“ワンウォッシュ”の様に、濃い色の商品はNBの商品でカバーできているため。高橋氏も、メイト開発にあたりNBの商品をよく研究したと話していた。

NBの商品は確かに豊富だが、NBが展開するショップに行くと、品ぞろえが豊富過ぎるがために、かえって欲しい商品にたどり着けない場合がある。そこでジーンズメイトでは、NBの商品を厳選して仕入れつつPB商品も織り交ぜることで、顧客が選びやすいデニムの商品展開を行っていくつもりのようだ。商品のキュレーターであり、開発者でもあるという姿が、同社の目指している新しいブランドの在り方なのだろう。

「V字回復したアパレル企業はない」と認める宇山氏だが、ジーンズメイトをその先駆者にして前例を作り、「アパレル全体を立て直したい」と大きな夢も語っていた。この会社が復活できるかどうかは、アパレル業界の今後を考える上でも重要な指標となるかもしれない。