【レポート】

声優ガールズバンドが音楽の聖地へ!Poppin'Party日本武道館公演「BanG Dream!4th☆LIVE Miracle PARTY 2017!」

『バンドリ!』のライブイベント「BanG Dream! 4th☆LIVE Miracle PARTY 2017!」が2017年8月21日(月)、東京・日本武道館で開催された。

『バンドリ!』はガールズバンドとして夢を追いかける少女たちを描く作品で、声優キャストたち自身がガールズバンドPoppin' Party(通称・ポピパ)として活動しているのが大きな特徴だ。戸山香澄役の愛美、花園たえ役の大塚紗英、牛込りみ役の西本りみ、山吹沙綾役の大橋彩香、市ヶ谷有咲役の伊藤彩沙、、、5人のバンド・Poppin' Partyは2016年2月にメジャーデビュー。デビューから一年半での日本武道館ライブはガールズバンドまた声優史上最速の記録だとのことだ。

今回のライブは平日開催にも関わらず、会場は10,982人のバンドリーマー(『バンドリ!』ファン)でぎっしり(ライブ・ビューイング来場者数5,736人)。驚いたのは東西南北全周の客席がフルオープンだったことで、八角形のセンターステージを360度全方位からファンが見守る面白いステージ構成だ。センターステージの上空には八角形の各面に映像スクリーンを備えた立体スクリーンを設置。ライブ前の煽りVTRを映し出していた立体スクリーンが下降してステージの目隠し代わりとなり、再び上昇したときにはその中からバンドセットとポピパの5人が現れるという趣向だ。

八角形のセンターステージの中央部は一段高い円形ステージになっており、5人は円の外周に外側を向いてスタンバイ。普段ポピパはギター2人とベースが前列、キーボードとドラムは後列という編成が基本だが、武道館では全員がフロントとも言える構成だ。しかもこの円形ステージは回転もするので、会場のどの座席からでも目当ての演者を正面から見られる瞬間がある。

オープニングナンバーは「ときめきエクスペリエンス!」。光の海の中、円形のステージで演奏する5人をカメラが回り込んでいく光景は、アニメ『バンドリ!』のオープニング映像の一部をそのまま再現したもので、愛美のたっての願いで実現したものだ。伊藤が数台のキーボードに囲まれて(小室哲哉的なスタイルへの憧れだそうだ)演奏していたり、ライブ中に大塚が公約通り歯でギターを弾くような動きを見せたりと、ライブにはメンバーそれぞれがやりたいと話していた希望がさりげなく散りばめられていた。こうした演出については、ライブ前メンバーたちも寝る間を惜しんで相談を重ねたとのことだ。

2017年1月~4月に放送されたTVアニメ終了後のライブであることもあり、5曲目の「きらきら星~はじまりのステージバージョン」から7曲目の「STAR BEAT!~ホシノコドウ~」までは、5人がキャラクターを演じてながらの劇仕立て。香澄たちが初めてライブステージに立った様子、有咲の家の蔵で数人の大切な人のために演奏したクライブ、そして学園祭のライブステージに沙綾が駆けつけて初めて5人が揃ったライブと、名シーンの数々を演技とライブパフォーマンスで表現してみせた。「きらきら星」のキーボードがメロディアスにパワーアップしていたり、「私の心はチョココロネ」でタイミングを合わせてぴょんと飛ぶジャンプが入ったりと、ライブならではのアレンジもあった。

ステージチェンジの間に、大橋と大塚がスマホ向けゲーム『バンドリ!ガールズバンドパーティー!』で遊んでいるムービーが流されたのだが、驚いたのは大塚のスーパープレイ。ほんの数カ月前は愛美と大橋が抜群にうまい印象だったのだが、この映像の大塚は最難のモードで軽々とフルコンボをつないでみせた。大塚は音ゲーは『ガルパ』が初めてとのことで、スーパーギタリストが本気になれば音ゲーもすごいということを見せつけた。一方の大橋もゲーマーならではの軽やかなプレイングを見せていたのだが、プレイ中にまさかの「スマホ充電切れ警告」が出てコンボが途切れるという、誰もが経験するアクシデントに本番で遭遇するミラクルを見せた。このあと大橋の「最後はやっぱり協力プレイで『光るなら』やろう」という言葉から、ゲームがスタートする……と思いきや、かわりにステージ上でリアルの5人による「光るなら」演奏がスタート。2人の高いゲームスキルに見入ってしまったがゆえに不意打ちをくらった格好だ。この曲で大橋はパーカッションを担当、タンバリンをスティックで打ち鳴らしながら楽しそうにステージを走り回っていた。 ライブ中盤にはキャラソンメドレーのコーナーも。ことキャラソンというくくりだと、伊藤の「す、好きなんかじゃない!」のツンデレ属性はやはり抜群の破壊力だ。香澄を演じながら登場した愛美に抱きつかれた伊藤は、「大好き!」の一声を残してステージから駆け去っていった。「走り始めたばかりのキミに」と「Yes! BanGDream」のアコースティックコーナーは、5人が向かい合って演奏。5人が初めて演奏した時も、狭いスタジオで「Yes! BanGDream」を向かい合って演奏したそうだ。

嬉しい驚きは16曲目「Time Lapse」の初披露。同曲は2017年9月20日に発売予定のPoppin' Party7thシングル最後の未公開曲。非常にかっこよく熱いライブナンバーで、スモークの中演奏するメンバーの姿を切り取るカメラワークもかなり攻撃的。愛美の導きに応えて武道館が一緒に叫ぶ様はすごい熱量で、ラストの逆光の中でのキメには何か神聖な雰囲気すら漂った。

気合い入れの円陣で「ポピパ!ピポパ!ポピパパピポパー!!」と5人で声を揃えると、本編のラストは「前へススメ」と「夢みるSunflower」。TVアニメのラストを締めくくった曲だが、演奏難度が高く、生のライブでは初めて演奏する楽曲だ。演奏前の「5人でせいいっぱい、やりきりたいと思います!」という愛美の言葉にも挑戦の色がのぞく。大塚がつややかな髪を生き物のようにうねらせながら演奏すれば、センターの愛美がばっと後ろを向いて反対側の客席に向けて演奏しはじめたりと武道館ならではの動きもあった。ラスト2曲で鬼気迫る様子だったのは無心でドラムを叩きまくる大橋の姿で、彼女がソロパートでドラムセットから立ち上がって歌う様子を4人が振り返って見つめるシーンはとても印象に残った。

アンコール前には西本りみが『バンドリ!』の聖地を訪問する映像を上映。西本が御茶ノ水のギター店を訪問すると、店員に扮して鵜沢リィ役の橘田いずみが登場。都電の駅や有咲の家のモデルになった町並み、アニメ11話で5人が香澄を励ました公園などを散策する姿が流された。橘田と西本が日本武道館前に到着し、客席のアンコールを煽ったところでステージに5人が再び登場。OVA第14話の話題から、同話挿入歌の「八月のif」をライブ初披露した。この曲は(ドラムセットがない)海辺のエピソードで披露された楽曲なこともあり、大橋もマイクを持って愛美の隣へ。最強のツインボーカルが笑みを交わしながら披露した夏の歌に10,982人が酔いしれたのだった。

最後の挨拶では、5人がそれぞれの言葉で仲間と、スタッフと、すべてのバンドリーマーたちへの感謝を伝えた。照れる大塚に4人が抱きついたり、西本が涙で声をつまらせた時に大橋がそっとタオルを差し出したり、自分の挨拶は気丈に元気にやりきった伊藤が、愛美がリーダーとしての悩みを口にした時に初めて「あいみんはさいっこうのリーダーだよ!!」と感情を爆発させたりと、仲間同士の関係性が際立つ挨拶だった。

ラストナンバーは「キラキラだとか夢だとか~Sing Girls~」、それぞれのボーカルと個性が響き合う楽曲だ。瞳を潤ませながら笑顔で演奏する大塚と向かいあわせでセッションをした愛美が、頬を寄せ合って何かをささやく? 様子がとても印象に残った。最後は5人で後ろ手にてをつないで星の形を作り、「Poppin' Partyでした!」の声を揃えてライブを締めくくった。

アンコール中には、2017年10月29日開催のガルパーティ!in大阪の出演者や、2018年1月13日・14日開催のガルパライブ&ガルパーティ!in東京の出演者などの情報が公開された。詳細は公式サイトを見てほしいが、年明けのガルパライブにポピパとRoseliaが勢揃いするのは大きなニュースだろう。

声優自身がバンドとして演奏し、日本武道館でのフルライブを走りきる途方もない挑戦をやり遂げたPoppin’Party。5人の言葉と表情からやり遂げた達成感と、このステージを心から楽しんだ様子が伝わってきたことが何よりの収穫だった。

「この素晴らしい仲間に出会えたのはミラクルな奇跡だと思います。みんな本当にありがとう!」(大塚紗英)
「バンドリを、ポピパを知ってくれて、好きになってくれて本当にありがとう!」(西本りみ)
「今日は本っ当に、めっちゃ楽しかったです!! 今日は武道館でライブできてよかった。幸せ!」(大橋彩香)
「みんなと会えて本当によかった!! バンドリは私にとっての青春そのものです! みんなのことが、大好きだー!」(伊藤彩沙)
「今日はみなさんの笑顔がたくさん見れて楽しかったです。いっぱい焼肉食べて、いっぱい寝まーす! 次のライブがあれば、また笑顔を見せてください!」(愛美)

「BanG Dream! 4th☆LIVE Miracle PARTY 2017!」 セットリスト

M-01 : ときめきエクスペリエンス!
M-02 : 夏空 SUN! SUN! SEVEN!
M-03 : ぽっぴん'しゃっふる
M-04 : 1000回潤んだ空
M-05 : きらきら星~はじまりのステージバージョン / 愛美、伊藤、西本
M-06 : 私の心はチョココロネ / 愛美、伊藤、大塚、西本
M-07 : STAR BEAT!~ホシノコドウ~
M-08 : 光るなら
M-09 : 花園電気ギター!!! / 大塚
M-10 : チョコレイトの低音レシピ / 西本
M-11 : 遠い音楽~ハートビート~ / 大橋
M-12 : す、好きなんかじゃない! / 伊藤
M-13 : どきどきSING OUT! / 愛美
M-14 : 走り始めたばかりのキミに (Acoustic ver.)
M-15 : Yes! BanG_Dream! (Acoustic ver.)
M-16 : Time Lapse (新曲)
M-17 : 前へススメ
M-18 : 夢みるSunflower
【ENCORE】
EC-01 : 八月のif
EC-02 : キラキラだとか夢だとか~Sing Girls~

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