電子マネーの普及によってキャッシュレス化は進みつつありますが、その一方で、おサイフの中のカードが増えていませんか? 電子マネーは使えるお店が限定されていることが多いので、何枚も持って使い分けている人も多いことでしょう。

そうした不便を解消するのが、国際ブランドの付いたプリペイドカード(以下「ブランドプリペイドカード」)。チャージした額以上は利用できない安心感に加え、幅広いお店で利用できるので、便利におサイフ代わりとして使うことができます。

国際ブランド付きプリペイドカード、オトクなのはどれ?(画像はイメージ)

ブランドプリペイドカードの特徴は?

クレジットカードは使いすぎが心配であまり使いたくないと思っている人でも、気軽に利用できるのがブランドプリペイドカードです。その名の通り、あらかじめお金をチャージしておくプリペイド方式のカードの一種です。チャージをしておけば、その範囲内で支払いができるというところはSuicaなどの交通系電子マネーと同じですが、利用範囲の広さがこれらのカードの大きな特徴です。

プリペイドとはいえ、VISAやMasterCard、JCBなど国際ブランドがついているカードなので、ブランドマークのクレジットカードが利用できるお店ならどこでも使えます。国際ブランドなので、もちろん海外でも利用が可能です。1枚持っていれば広範囲で利用できる便利なプリペイド式カードといえます。

クレジットカードの場合には、申し込み時に審査がありますが、このプリペイド式のカードは審査なしで誰でも申し込める点もメリットの1つです。

カードの種類と使い勝手はどう?

ブランドプリペイドカードは、さまざまなところで発行されています。代表的なカードが「au WALLET プリペイドカード」や「LINE Payカード」です。

「au WALLET プリペイドカード」は、au契約者向けに発行されているMasterCardのブランドがついたカードです。そのため、携帯やスマホの利用金額に応じてポイントがつくなどのau契約者ならではのメリットが大きいのが特徴です。

カードへのチャージはau WALLETアプリからできるほか、auショップやローソンで現金チャージも可能。アプリからのチャージは、毎月の利用代金と一緒に請求され、じぶん銀行の口座やクレジットカードを登録することでそこからチャージすることも可能です。じぶん銀行の口座を新規開設してチャージした場合、チャージ金額の5%のWALLETポイントが付くキャンペーンもあるのでメリット大です。WALLETポイントは、カード利用ごとに利用金額の0.5%のポイントが付きます。

「LINE Payカード」はLINEサービスの1つで、LINEを利用している人なら誰でも申し込めるJCBブランドのプリペイドカードです。最大の特徴は、利用金額に応じてもらえるポイント付与率が2%と高い点です。貯めたポイントは、LINE内でスタンプや着せ替えが購入できたり、LINEコインに交換も可能。またAmazonギフト券などにも交換できます。

チャージの方法は、銀行口座を登録してそこからチャージする方法やコンビニで現金でチャージする方法などがあります。銀行口座からのチャージは、最初に銀行口座を登録すればあとはLine Payアプリでチャージができます。

カード発行前に確認しておくことは?

上記のほかにも、さまざまなカードがありますが、中にはチャージするのに手数料がかかるものもあるので、どんなコストがいくらかかるかなどを事前にきちんと確認しておくことが大切です。また、利用金額に応じて加算されるポイント付与率やポイント有効期限もカードによって違います。さらにチャージ方法も自分にとって使いやすいものかどうかも見極めポイントの1つとなります。

国際ブランドの付いたプリペイドカードは、ネット通販や海外での利用など、クレジットカードを使うにはセキュリティ面で不安があるという人にとっても使いやすいカードです。利用範囲がチャージした金額内と限定されるので、海外に多額の現金を持っていきたくないが、クレジットカードを使うのは躊躇するような場面での使用や、いざというときのキャッシュの代わりなどとしての利用価値もあります。

キャッシュレスにしたいけれど、カードの枚数が増えるのは避けたいと考えている人にとっては、とっても便利。使い勝手のいいカードを1枚選ぶなら、ブランドプリペイドカードは有力な選択肢です。検討してみるといいでしょう。

※画像は本文とは関係ありません。


堀内玲子
ファイナンシャルプランナー。証券会社勤務後、編集製作会社で女性誌、マネー関連書などの編集を経て93年に独立。96年ファイナンシャルプランナー資格を取得。FPとして金融・マネー記事などの執筆活動を中心に、セミナー講師、家計相談などを行う。著書に「あなたの虎の子資産倍増計画」(PHP研究所・共著)「年代別 ライフスタイル別 生命保険のマル得見直し教室」(大和出版)など。