さて、iPad Proで仕事を始めるにあたって、やはり文章を書く上で、キーボードにはこだわりたい、と考えてきました。この連載でもご紹介してきましたが、筆者のメインのキーボードはデスクでも出先でも、PFUのHHKB Professional BT、Happy Hacking KeyboardのBluetooth版です。先日ブラックモデルに加えてホワイトも発表されました。

iPad Pro 10.5インチとApple Pencil、レザースリーブを揃えて、必要であれば(というかほぼ毎日)、専用のキャリングケースでHHKBを持ち歩く、というスタイルで仕事をしに行きます。ただし、ここで問題になるのは、iPad Proは単体では自立しない、という点です。

そのため、Smart Coverを用意するか、スタンドを用意しなければなりません。筆者はBlue LoungeのCasaというスタンドを愛用しています。Smart KeyboardやSmart Coverでは横長にしか固定できませんが、Casaは縦長に固定することができ、文章を書くのには快適なのです。

幸い、HHKBの専用キャリングケースには余裕があるポケットが用意されているため、電源アダプタやケーブルとともにCasaを収納することができ、荷物が増えることはありません。

ノートパソコンの場合、ディスプレイとキーボードが固定されているため、他のデバイスを用意しなくてもいい反面、モバイルを前提とするとシステムアップの余地はさほどありません。iPadは本体がディスプレイ部分しかない分、好きなデバイスとの組み合わせが可能になり、好みの環境を作り上げることができます。

ちなみに、先日、サンフランシスコから日帰りで、ロサンゼルスへ出張してきました。その際、小さな肩掛けカバンにiPad ProにSmart Keyboardを装着した状態で入れて出かけました。空港のセキュリティではカバンをそのまま手荷物検査に預ければ良いし、パソコンを持ち歩くよりも手軽でした。

その点では、Smart Keyboardを持っていて正解だったようで、筆者の中では結局、Apple Pencil、レザースリーブ、Smart Keyboardの3つが揃っていた方が良かった、という結論で固まりつつあります。

松村太郎(まつむらたろう)
1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「LinkedInスタートブック」(日経BP刊)、「スマートフォン新時代」(NTT出版刊)、「ソーシャルラーニング入門」(日経BP刊)など。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura