Sansanは8月7日、総額でおよそ42億円を、未来創生ファンドとDCM Ventures、Salesforce Venturesの三社から資金調達したと発表した。

資金調達は2016年1月以来で、過去最大の調達額。調達総額は約84億円で、海外投資家による比率は約4割に上るという。なお、今回の調達でもDCM VenturesとSalesforce Venturesという海外VCの2社が出資している。未来創生ファンドは、トヨタ自動車と三井住友銀行、スパークス・グループによるファンド。

Sansan 取締役 Sansan事業部長 富岡 圭氏

同日行われた記者説明会で、今回の調達についてSansan 取締役 Sansan事業部長の富岡 圭氏は「法人向けSansanの堅調な成長性と、Eightの可能性、日本における順調なユーザー数の増加が評価された」と語る。調達資金は、9月にリリースする海外版アプリのマーケティング施策に充てるという。

法人向けのクラウド名刺管理サービス「Sansan」は国内6000社、名刺を起点としたビジネスネットワークアプリ「Eight」は180万人超の登録者がいる。Sansanでは2年後に1万社の導入を目指すほか、前述の海外展開では日本企業の現地法人など100社の契約社数を500社まで拡大する予定だという。

2年後に1万社を目指す

大手の導入もこの2年で大きく増えたと語る富岡氏

ただ、2015年時点で3000社、2016年時点で4000社、2017年に6000社の見込みからすれば、「2年後に1万社」は弱気の見込みにも映る。富岡氏はこの点について「大手企業への注力で、(部署単位、部分導入ではなく)全社導入に力を入れている」とし、社数よりも規模を追うことが数字の据え置きに繋がっているとした。

アジア展開については、投資家も期待しているところとしつつ、「シンガポールなどは名刺交換とアプリのニーズがあるものの、一くくりに『東南アジア』というよりも、国によって名刺事情は異なる。リンクトインなど、広い意味での競合はいるが、直接的な競合はいないので、しっかりと見極めたい」と話した。