【インタビュー】

『異世界食堂』店主役・諏訪部順一に聞く - 作品の隠し味になれたら

諏訪部順一(すわべじゅんいち)。1972年3月29日生まれ。東京都出身。東京俳優生活協同組合所属。主な出演は『異世界食堂』店主役、『ユーリ!!! on ICE』ヴィクトル・ニキフォロフ役、『Fate/Apocrypha』黒のセイバー役など

もしも魔族やドラゴンが、日本の洋食屋を訪れたら……? 2017年夏にスタートしたばかりの新アニメ『異世界食堂』は、商店街の雑居ビルにあるごく普通の洋食屋「ねこや」を舞台に、異世界の住人たちと数々の洋食メニューの、美味しくて不思議な出会いを描いた作品だ。犬塚惇平原作の、主婦の友社「ヒーロー文庫」より刊行されている同名の人気ライトノベルが原作となっている。

「ねこや」は週に一度異世界へと扉が通じ、魔術士や竜の化身、魔族などさまざまな種族の者が訪れる。料理との出会いを通して、彼らの持つドラマに迫る本作。異世界の者たちを等しく唸らせる料理を振る舞う「ねこや」の店主を、諏訪部順一が演じている。今回は諏訪部に、『異世界食堂』の魅力や料理への思いを語ってもらった。

絶妙な火加減で店主を演じています

――台本を読まれて『異世界食堂』のどんなところが魅力だと感じましたか?

とにもかくにも各話ごとにフィーチャーされる料理が美味しそうです。そしてその料理ごとに、あたたかく優しい物語が紡がれていきます。心と空腹中枢を刺激される作品ですね。ご覧いただくと、心はほっこりあたたかく満たされると思うのですが、胃袋は満たされるどころか悲鳴を上げるという。深夜に放送するのが酷なところ、それが魅力ですね(笑)。

――異世界の住人の視点から見た料理の描写も新鮮で、美味しそうですよね。

異世界の住人の皆さんは、現代日本で食べられている料理とは縁がありません。彼らは「ねこや」でそれらと出会い感銘を受け、常連客になっていきます。我々にとっては日常食のようなメニューも、異世界の人々にとってはとびきりの御馳走。日々食べている料理の美味しさやありがたみを改めて感じますね。

――アフレコをされていてもお腹が空くのではないでしょうか?

収録の時間帯もちょうどお腹空きそうな頃合いなもので、自分も含め、お腹が鳴り出すキャストは結構います(笑)。

――『異世界食堂』ならではですね! 一般的にアフレコ現場では、キャストの方々はお腹の音が鳴らないよう注意してらっしゃると伺いましたが……。

もちろんノイズを立てないように気をつけてはおりますが、こればかりは生理現象なので(笑)。収録回のエピソードでフィーチャーされたメニューにちなんだ差し入れを、毎回スタッフの方が用意して下さっているんです。例えば、ビーフシチューを扱った第1話の際は、ビーフシチューのフィリングが入ったパンといった具合に。収録が終わった後、いつもみんなで美味しくいただいています。

――収録現場の雰囲気はいかがでしょうか?

第1話から通してのレギュラーは店主とアレッタのみですし、各エピソードごとのゲストのドラマを掘り下げるような内容の作品です。ゲストキャラを演じる方々の方が毎回人数が多いこともあって、エピソード回ごとに収録現場の雰囲気も変わりますね。食の話で盛り上がることは多いです。

――店主を演じる上で心がけていることは何でしょうか?

料理とお客さんのドラマが物語の主軸です。そこに踏み込みすぎないよう、絶妙な火加減で店主を演じています(笑)。色を出しすぎて邪魔にならないように、されど全く存在感がないわけでもなく、隠し味的な存在として作品の中にいるのがベストではないかと思います。


料理はエンタテインメントだと思っています

――「ねこや」の常連となる異世界の住人たちは、毎回同じものを頼むので、その料理の名前で呼ばれていますよね。諏訪部さんがもし常連客の一人なら、何と呼ばれると思いますか?

メニューが豊富なお店の場合、自分は同じメニューをあまり頼まないんですよ。訪れるごとに違うものをオーダーする感じで。特に「ねこや」のような何を食べても美味いようなお店でしたら、いつまでたってもみんなからニックネームをつけてもらえない奴ですね(笑)。

――諏訪部さんご自身が店主になって飲食店を開くとしたら、どんなお店になりそうですか?

自分も食い道楽の人間なので、いろいろなところで実際に食べて飲んで美味しいと思ったものを、そのままだったりアレンジしたりして提供する、なんでもありのセレクトショップのようなお店がいいですね。肩肘張らない、普段使いできるような雰囲気の。お酒との組み合わせなんかも提案して、食を大いに楽しんで、笑顔でお帰りいただくようなお店。やりたいですね。

――料理を作るのもお好きですか?

はい。一応ひと通り何でも作ります。小学生の頃から料理は家でやっていました。本を読んだり、テレビを見たりして得た知識をもとにした我流ですが。レシピを見ながら作るようなことはあまりないですね。外で食べて美味しかったものを自分なりに再現することもたまにします。

――料理人ですね。

他人に食べてもらうことではなく、自分が楽しむためにやっているので料理人ではないですね(笑)。料理はエンタテインメントだと思っています。様々な材料に物理変化や化学変化を加える実験みたいな感覚です。「これとこれ組み合わせたらどうなるんだろう?」などという好奇心がその原点にあります。もちろん、美味しいものを食べたいということが第一にありますが。

――店主も異世界の食材を扱ったりと、食の探究心が強いようですから、その部分は諏訪部さんと店主の共通点と言えそうですね。

そうかもしれないですね。

――最後に、読者へメッセージをお願いします。

アニメ『異世界食堂』は、毎回美味しそうな料理が登場し、貴方の食欲を大いに刺激する作品です。深夜の放送なので少々目の毒かもしれませんが、滋味深く優しい味わいを心に残す物語もありますので、ご賞味いただけると幸いです。よろしくお願い致します。

『異世界食堂』

(C)犬塚惇平・主婦の友社/「異世界食堂」製作委員会

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