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働き方改革のひとつの方法として、その認知が進んできたテレワーク。先日7月24日に実施された「テレワーク・デイ」も、より多くの企業や団体に慣れ親しんでもらう契機になればという意味合いも含まれていた。テレワークを含めた働き方の多様化への姿勢は、これからの企業経営の要素として重要なものとなってくるだろう。少し大げさではあるが、ビジネスパーソンに最適な働き方を提供することができなければ、これからの社会で競争力を保てない組織となってしまうだろうと筆者は思う。

そういった背景もあってか、「ワークスタイル変革EXPO」会場においても様々なテレワーク関連のサービス・ソリューションが提案されていた。今回、本稿で紹介するオリィ研究所の「OriHime」は“自身の分身”というコンセプトでテレワークはもちろん、その遠隔地でも本人の代わりとして存在感を示せる特性を活かし、コミュニケーションにおける課題解決に役立つ可能性を秘めたソリューションだ。

「どこにいても一緒に働けるテレワークロボット」と銘打たれた「OriHime」。その中性的で愛らしい姿、パタパタと動く両腕、額に埋め込まれたカメラ、そして内蔵されたマイクとスピーカーで遠隔地であっても存在感あるコミュニケーションを実現できるソリューションだ

この「OriHime」は、昨今巷を賑わせているAIを駆使したロボットではない。あくまでも、遠隔地にもうひとりの自分の代わりに存在する“分身”として機能するロボットだ。電源を本体と繋ぎPCにUSBで接続するだけと難しい操作は必要なく、喜怒哀楽様々な感情を表現するという能面を参考にデザインされた表情、登録されたモーションはもちろん自由に動かせる腕で自分自身の感情を豊かに表現することができる。

また、複数の「OriHime」を切り替えながら利活用することで、全国に点在する拠点間に“分身”を存在させ、距離や時間を超えて業務・コミュニケーションを行う。1人で複数の「離れ業」をやってのけることも、逆に、スケジュール機能を用いれば1体の「OriHime」を複数で共用することもできる。

まさに“分身”として存在してくれる「OriHime」だが、読者のなかにはこう思う方もいるかもしれない。「テレワークだったら、既存のビデオ通話サービスでも十分なのでは?」と。その点について解説員の方に伺ったところ、「思いの外、自分の顔や背景として映り込んでしまう部屋が気になってしまう方が多いのです。OriHimeなら、そういったストレスから解消されるとの声もいただいております」とのこと。

また、テレワーク以外の分野でも「OriHime」の分身としての機能は効果を発揮しているという。長期入院により学校へ通うことができない子どもたちの学習サポートはもちろん、クラスメートとの他愛ないおしゃべりを楽しむことが可能となり、学びの機会を増やすだけではなく入院生活で受けるストレスの軽減にも役立っているのだ。

「OriHime」本体。高さ約20.5cm、幅約17cm、奥行き約11.5cmとコンパクトで程よいサイズ。グリーンに輝く瞳が特徴的だ。

解説員の方による「OriHime」のデモンストレーション。来場者は熱心にその解説に耳を傾けていた

在宅で、出張先で、病院で。遠隔地とオフィスや教室と繋げることが可能な「OriHime」によって実現する働き方改革。単に働き方という枠のみならず、ライフスタイルそのもののあり方も変革することが可能なのではないかと期待に胸膨らませられるソリューションだ。

こちらは、視線の動きのよって透明文字盤で自分の意思を伝えることができる「OriHime eye」のデモンストレーション、

もちろん、「OriHime」と組み合わせて利活用することも可能だ