「マクドナルドでは最近、『名前募集バーガー』や『マクドナルド総選挙』といったように、お客様と一緒に楽しめる取り組みに力を入れています。お客様と一緒に盛り上がるキャンペーンを仕掛けるにあたり、この話題は避けて通れません」。河野辺上席部長によれば、今回のキャンペーンも、マクドナルドを「FUN PLACE TO GO」にするための施策の一環なのだという。おいしいハンバーガーと楽しい話題は、マクドナルドをFUN PLACEにするために不可欠な要素だそうだ。

マック軍の「東京ローストビーフバーガー」は単品440円、セット740円。ビーフパティとローストビーフの両方をバゲット風のバンズで挟んだ商品だ。マック軍にはこのほか、朝マックの「東京ローストビーフマフィン」(単品360円)とチキンマックナゲットにつける「東京レモンバジルソース」が加わり、マックフィズとマックフロートのフレーバーとして「山形ラ・フランス」(フィズ250円、フロート310円)も登場する

あえて対立構造を導入するマクドナルド

今回のキャンペーンでは、マクドナルド公式Twitterアカウントをフォローし、「#マック軍」あるいは「#マクド軍」のハッシュタグが付いた投稿のどちらかをリツイートすることで、任意の軍に1票を投じると同時に、オリジナル応援Tシャツのプレゼント企画に参加できる。抽選に外れた人には、リツイートで応援“しなかった”軍から「果たし状クーポン」が届く。このクーポンの出し方は、例えばガチガチのマクド派に対して、マック側のハンバーガーも食べてもらえるよう促す効果を狙った仕組みだ。

マクド軍の「大阪ビーフカツバーガー」は単品390円、セット690円。関西でおなじみの洋食「ビフカツ」とマスタード風味マヨソースの組み合わせは食べ応えがある。マクド軍には朝マックの「大阪ビーフカツマフィン」(単品330円、セット530円)、ナゲットのソースとして「大阪お好みマヨソース」、フィズ・フロートのフレーバーとして「和歌山温州みかん」(フィズ250円、フロート310円)が加わる

キャンペーン発表会で示されたマクドナルド調べのデータによると、マクドナルドをマクドと呼ぶ地域は、マックとマクドの両方の呼び方が混在するエリアも含めて11府県しかない。マクド派は圧倒的に不利な状況と思われるが、大阪府民の「地元愛」は無視できず、勝敗については読めないというのが河野辺上席部長の見方だ。

マック・マクドの分布図

マック・マクド論争にフィーチャーしたキャンペーンについては「2回目もあるかも」(河野辺氏)とのことだったので、マクドナルドとしては、この論争を今後も楽しんでいくつもりらしい。あえて対立構造を面白おかしく持ち込んだキャンペーンを実施するマック、もといマクドナルドからは、業績回復からくる余裕のようなものを感じた。