コマツ、NTTドコモ、SAPジャパン、オプティムは4社共同で、建設業務における生産プロセスに関わるあらゆるモノをつなぐ新プラットフォーム「LANDLOG」を2017年10月から提供開始することを目指す。建設業務はどう変わるのか。

「モノ」から「コト」をつなぐプラットフォームへ

建設業界では現在、高齢化等による労働力不足が大きな課題となっている。各企業とも、こうした人手不足をICT化による生産性の向上でカバーしようとしており、国土交通省は建設技術のICT化を進めるべく、技能労働者一人あたりの生産性を5割アップさせることを目標とする「i-Construction」を2016年から推進。政府も「未来投資戦略2017」において、建設現場の生産性を2025年までに20%向上させることを目標に定めている。

政府の肝煎りなだけに、各社とも建設現場のICT化への準備を急いでいるが、現場レベルではまだまだこれから、というのが実情だ

コマツにおいてはこれまで2013年度から「SMART CONSTRUCTION」と名付けて建設の各工程をICT化するソリューション事業を進めてきており、建設機械による施工プロセスを中心としたプラットフォーム「KomConnect」を展開してきたが、さらに建設生産プロセス全体を対象として一元管理し、最適化するためのプラットフォームとして、新たに「LANDLOG」を開発することにしたという。

既存のKomConnectはコマツ内だけのクローズドプラットフォームだったが、これをオープンな規格で再編成したものがLANDLOGということになる。一部の仕様はそのまま流用される模様

LANDLOGは県せtプロセスのあらゆる段階を3Dデータを通じて繋げるという野心的な試みだ

LANDLOGにおいては、建設現場全体をドローンや3Dスキャナ、建設機器に装着されたコマツ製のステレオカメラ「KomCamm」などを使って撮影し、3Dデータとして記録する。さらにショベルカーのバケットに重量センサーを付けて掘削した土の重さを正確に測るなど、施工に関わるすべての建設機器にセンサーを付け、データを集める。こうした計測は現場に置かれたエッジサーバーで処理され、毎日の変化が3Dデータとして残されることになる。