大阪・キタの中心地、阪急梅田駅から歩くこと15分。中崎町に旅行した気分になれる不思議なカフェがあると聞いた。その名は「旅cafe黄色い家」。今回は、少しユニークなカフェ「旅cafe黄色い家」をレポートしたい。

「旅cafe黄色い家」はネーミング通りの黄色い家

大阪の中心地とは思えないエキゾチックさ

「旅cafe黄色い家」は個性的な店が多く集まる大阪・中崎町にある。中崎町は大阪・キタの中心地に当たる阪急梅田駅からも近い。また、中崎町には市営地下鉄谷町線も乗り入れている。そのためか、休日になると中崎町には外国人観光客も多く見かける。

日本家屋が立ち並ぶ路地に「旅cafe黄色い家」はある。「黄色い家」とある通り、目にも鮮やかな黄色に塗られているため、すぐに見つかるはずだ。屋外にも外国のカフェのように座席がある。春や秋は外でのんびりとビールを飲むのもよさそうだ。

店内に入ると、大阪の中心地とは思えないエキゾチックな雰囲気が漂う。音楽ともあいまって、まるで東南アジアのカフェにいるような気分。のんびりとした空間に、思わず時を忘れて長居してしまいそうだ。

店内もカラフルかつエキゾチック

「旅cafe黄色い家」の特徴というと、旅行に関するアイテムがあること。店内には様々な国の旅行ガイドブックがある。「どのような国だろう」という好奇心から、ついついガイドブックに手を伸ばしてしまうのではないか。また、エキゾチックなアクセサリーにも目がいった。

「次はどこに行こうかしら」などという会話も始まりそう

黄色い壁にはヨーロッパの美しい写真がズラッと貼られていた。これは、月1回のペースでお客さんが旅行の自慢の写真を展示する。写真を見ただけでも、旅行気分が盛り上がった。

写真はお客さんの持ち出しもの。「どこの国・地域なんだろう」と想像するのも楽しい

ボリュームたっぷり&ヘルシーな「ロコモコ」を

「旅cafe黄色い家」のフードメニューはハワイ料理の「ロコモコ」、タイ料理の「グリーンカレー」、インド料理の「キーマカレー」がある。私が訪れた日は30度を超す夏日。「夏」から連想してハワイ料理の「ロコモコ」を注文した。

「ロコモコ」(税込780円)はボリュームも十分

出てきたのはボリュームたっぷりの「ロコモコ」。ご飯の上に、ハンバーグ、チーズ、目玉焼きが載っている。そして、レタス、アボカド、プチトマトなど色鮮やかな野菜が実にまぶしい。このボリュームでお値段は何と税込780円! ボリュームだけでなく財布にも優しいのもポイントだ。

オーナーの鴨下さんによると、お米は健康を重視して十六穀米をプラスして使っている、とのこと。十六穀米が持つ深い味わいとハンバーグやシャキシャキした野菜との相性が実にすばらしい。また、アツアツの柔らかなハンバーグは鴨下さん自らが手ごねで作っている。いろいろな個性がありながら、ひとつにうまくまとめあげた「旅cafe黄色い家」のロコモコ。どんどん食が進み、一気に食べてしまった。

シンプルながら好感の持てるスイーツ

「旅cafe」とあるので、カフェメニューもチェックしたい。そこで、「ベイクドチーズケーキ」(税込450円)を注文した。ベイクドチーズケーキはシンプルながら、甘さ控えめ。ロコモコの後に食べると口がサッパリとする。

「ベイクドチーズケーキ」(税込450円)は甘さ控えめ

また、ベイクドチーズケーキに添えられたクリームの柔らかさがたまらない。甘さ控えめのベイクドチーズケーキとほんのり甘いクリームとの相性がたまらない。ちなみに、ドリンクメニューで人気なのは「マンゴラッシー」とのこと。様々なユニークなメニューがたくさんあるので、いつ訪れても楽しめそうだ。

旅人が作り上げる「楽しい場」

ところで「旅cafe」というワードはなかなか聞き慣れないだろう。「旅cafe黄色い家」の誕生を知りたくて、オーナーの鴨下依子さんに聞いた。

「旅cafe黄色い家」が生まれたのは東日本大震災が発生した2011年のことだ。東日本大震災のボランティアの相談場所として使われたのがカフェのきっかけ。そこから、誰もが集える「楽しい場を作りたい」という思いから「旅cafe黄色い家」がスタートした。

「旅cafe」というコンセプトは鴨下さん自身の旅行好きに由来する。店内では一般のガイドブックにはない、鴨下さんこだわりの旅の写真が見られる。もしかすると、「旅カフェ」と聞くとディープなバックパッカーが集うカフェを想像されるかもしれない。鴨下さんはそういう人だけが集まる場ではなく「誰もが入りやすい場」にすることをコンセプトに置いた。今ではツアー利用の旅行者からバックパッカーまで、あらゆる旅人が交流する場としても機能している。

オーナー夫妻、鴨下裕充さんと依子さん

「誰もが入りやすい」というコンセプトを土台に、お客さんが「旅cafe黄色い家」を作り上げている。店内で行われている旅人による写真展も「写真を展示したい」というお客さんの要望からスタートした。また、月1回のペースで写真展の開催者によるイベントも行われている。

普段のランチやカフェ利用はもちろん、旅行前に訪れても楽しい「旅cafe黄色い家」。もしかすると「旅cafe黄色い家」で新たな世界、価値観に出会えるかもしれない。

●information
旅cafe黄色い家
住所: 大阪府大阪市北区中崎西4-1-30
アクセス: 阪急梅田駅から徒歩15分、または、地下鉄谷町線中崎町駅から徒歩5分
営業時間: 12:00~20:00
定休日: 火・水曜日