説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『Apple Payは海外での支払いに使えますか?』という質問に答えます。

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日本で購入したiPhoneに日本企業発行のクレジットカード/プリペイドカードを登録したのであれば、答えは「ノー」です。Apple Payには国際ブランドのカードをひも付けられるため誤解されがちですが、2017年8月時点では原則としてカード発行国内でのみ使える仕様です。

日本におけるApple Payは「Suica」と「iD」、「QUICPay」という3つの電子マネー方式をサポートしており、いずれかの電子マネーに対応したクレジットカード/プリペイドカードを最大8枚登録できます(カード発行会社がApple Payに対応している必要あり)。端末に自分のカードのロゴが掲示されていれば、iPhoneをかざし指紋認証するだけで支払いが完了します。

ただし、それは日本国内での話です。決済はApple Payであっても、ひも付けられたカードの発行国を越えて決済することは認められていないため、日本発行のカードは日本以外の国では利用できず、結果としてApple Payも使えないことになります。海外で利用するためには、その国で発行した(Apple Pay対応の)カードが必要です。

海外で作成したクレジットカードを保有しているのならば、話は別です。たとえば、アメリカで発行したカードがある場合、『設定』→「一般」→「言語と地域」の書式欄にあるiPhoneの地域情報を「アメリカ合衆国」に変更すれば、アメリカ発行のカードを『Wallet』に登録できるようになります。このような異なる国での使いわけをできるユーザはごく少数ですから、冒頭で答えたとおりApple Payは海外での支払いに利用できない、と認識しておいたほうがよさそうです。

なお、地域情報を変更しても日本で登録したカード情報は消去されないため、日本に帰ってきたときiPhoneの地域情報を「日本」に戻せば、再びSuicaなどの日本発行カードを利用できるようになります。

地域情報を変更して現地発行のカードを登録すれば使えますが、日本発行のカードとひも付けられたApple Payは海外では利用できません