【レポート】

Windows 10 Fall Creators Updateで削除・非推奨となる機能 - 阿久津良和のWindows Weekly Report

Microsoftはこれまで不定期だったWindows 10大型アップデートのリリースタイミングを3月と9月の年2回に定めた。これは4カ月ごとに更新するOffice 365 ProPlusとタイミングを合わせるためである、と日本マイクロソフトは説明する。

今後のWindows 10リリースタイミング。法人向け資料のため、Pilot (試験) 期間とBroad (広範) 期間を明示している

米国時間7月24日、Microsoftはサポートページに「Features that are removed or deprecated in Windows 10」、つまりWindows 10 バージョン1709 (Fall Creators Update) において削除、もしくは非推奨となる機能の一覧を公開した。具体例として、「ペイント」が非推奨 (Deprecated) となり、Windowsストア経由で配信されるアプリに変わることがかなり話題となったので、ニュースを目にした方も多いだろう。

Microsoftが公式ブログに掲載したメッセージ。おそらく「ペイント」で描かれている

Fall Creators Updateで削除される機能

では、削除される (removed) ものからみていこう。まず「3D Builder」は既定でインストールされず、同社は「ペイント3D」の利用を推奨している。必要な場合はWindowsストアからダウンロードすればよい。

Windows 8から導入された「Apndatabase.xml」も削除される。MBN (Mobile Broadband Network) のAPNデータベースを管理する機能だが、Windows 10 バージョン1703からAPNデータベースはCOSA (Country and Operator Settings Asset) 形式に置き換えられた。その関係からXMLファイルのサポートを取りやめるのだろう。

「EMET (Enhanced Mitigation Experience Toolkit)」のインストールもブロックされる。こちらは以前の記事で紹介したように、Windows Defender Exploit Protectionとして、OSに統合されたからだ。

Windows Defenderセキュリティセンターに加わったExploit Protection

「Outlook Express」もついに削除される。前身であるMicrosoft Internet Mail and Newsから数えれば20年の歴史を持つアプリケーションだが、その役割は十分果たした。すでに標準ではインストールされていない「リーダー」はMicrosoft Edgeの「リーディングリスト」に統合される。

すでに標準ではインストールされなくなった「リーダー」

スクリーンセーバーはコントロールパネルなどから呼び出せなくなるだけで、スクリーンセーバー機能自体は残るようだ。また、SAMデータベースの暗号化キーを保存する「SysKey.exe」も廃止。MicrosoftはBitLockerの利用を推奨している。

SAMデータベースの暗号化キーを保存する「SysKey.exe」

TOE (TCP Offload Engine) も削除対象。Microsoftの調査によれば、TCPネットワーク制御をNICにオフロードするTCP Chimneyに関するサポート件数はWindows 7の時点でゼロとなり、Windows 8では既定で無効にしたものの、顧客からの問い合わせはなかったという。レガシーコードとの理由で今回削除されることになった。この他にもWindows 8のスタート画面で用いていたTile Data LayerはTile Storeに移行し、「TPM所有者パスワード管理」も同様の理由で削除される。

Fall Creators Updateで非推奨となる機能

非推奨 (deprecated) となるのは「IIS 6管理互換」「ダイジェスト認証」「RSA/AES暗号化」とIIS関連が多い。もっともWindows 10はもちろんWindows Server上にWebサーバーを構築するメリットは皆無のため、このあたりは今後の大型アップデートでも非推奨化が進むだろう。

また、前述の「ペイント」に加えて、設定の「同期」機能も将来的な廃止予定に加わっている。こちらは単に廃止するのではなく、エンタープライズユーザーとすべてのユーザーが設定同期に用いるクラウドストレージを統一する関係から、実装方法を見直すのだろう。他方で、「システムイメージバックアップ」機能も非推奨リストに加えられた。Microsoftはサードパーティーベンダーのアプリケーション利用を促している。

Windows 10のシステムイメージバックアップ機能は、わざわざ「Windows 7」と明言して今後廃止するであろう雰囲気を漂わせていた

その他には「TLS RC4暗号」「TPMの管理」「TPMリモート管理」「SCCM (System Center Configuration Manager) 用Windows Hello for Businessの展開」、そして「Windows PowerShell 2.0」が非推奨リストに並ぶ。Windows Hello for Businessは、ADFS (Active Directoryフェデレーションサービス) の利用を推奨し、Windows PowerShellは下位互換が不用になったことからリストに加えたのだろう。

Windows 10 バージョン1703のWindows PowerShell。変数PSVersionの値を見ればわかるように、現在のバージョンは5.1

このようにFall Creators UpdateことWindows 10 バージョン1709では、いくつかの機能が削除・非推奨となる。私見だが、エンドユーザーに対する影響は少なく感じるものの、移行先となるバックアップアプリケーションの選定は急いだ方が良さそうだ。

阿久津良和(Cactus)

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