中国Huawei(ファーウェイ)のコンシューマ事業部が27日、2017年上半期の業績を発表した。売上高は前年同期比36.2%増の1,054億元、スマートフォンの出荷台数は同20.6%増の7,301万台だった。CEOのRichard Yu氏はスマートフォン市場が5年前と比べて「失速している」と指摘しつつも、その中で高い成長を遂げた点をアピールしている。

Huaweiコンシューマ事業部のRichard Yu CEO

同社のスマートフォンが好調だ。昨年(2016年)モデルのHUAWEI Mate 9は850万台以上の出荷で、2017年発売のHUAWEI P10 / P10 Plusはすでに600万台以上、発売後1カ月程度のnovaやHonor 9は100万台を突破するなど、出荷数が増加している。

中国Huaweiのスマートフォン出荷数

出荷台数の伸び率に対して、売上高の伸びが高くなったのは、ハイエンド端末の割合が高いからだとYu氏は分析。ハイエンドスマートフォンの売り上げ増加率は100%増、平均の販売額も28%増。500ドル以上のスマートフォンでは8.2ポイント増の14%。上期での売上高は1,000億元を突破し、下期も同程度の売上を見込む。通期では2,000億元の売上を達成できるとしている。

グローバルのスマートフォン出荷数。成長が停滞している

そんな中、Huaweiのビジネスは20%以上の成長を遂げている

マーケットシェアは1.4ポイント増で10%弱に

500米ドル以上の市場ではシェア14%に

中国を含むアジア地域に加えて、欧州、中東、アフリカ、南米など、各国で順調にシェアは拡大。「シェアが15%あれば安定した成長ができる」とYu氏は語り、現状は10%前後の東南アジアなどで今後さらなるシェア拡大を図りたい考えだ。

日韓市場では対前年比47%の成長

アジア太平洋路域では10%前後~15%程度のマーケットシェアを確保

今後の製品展開については、「AIをスマートフォンに搭載する最初の会社になりたい」とYu氏。Huaweiはモバイル向けのKirinプロセッサを開発しているが、AI処理を可能にするプロセッサを開発する計画。モバイル向けAIプロセッサを開発することで、スマートフォンにインテリジェント性を持たせた「インテリジェントフォン」を実現する、という。

KirinプロセッサにAI機能を搭載し、スマートフォンを「インテリジェント」化する

グローバルでのブランド価値やシェアを高めるために、「顧客中心」の製品、サービス展開を図り、Apple、Samsungといったシェア上位のメーカーを追随していく。そのための「秘策」としてYu氏は、研究開発を強化してイノベーションを起こすことを挙げ、ユーザーエクスペリエンスを高めていきたいとした。

今回の業績発表は、アジア各国のメディアに対してビデオカンファレンスの形式で行われ、日本メディアからの質問にYu氏は日本市場を重視するとコメント。日本市場で求められる点として防水防塵、FeliCaの搭載を自ら示しており、「よりプレミアムな製品を日本市場で導入する」と話した。また、より大画面で、しかしコンパクトな端末を用意するとも。

Yu氏は、「Huaweiの製品は"Made in Japan"」として、多くの日本企業の部材が採用されていると強調。メモリ、センサー類をはじめとして、多くの日本企業をパートナーとして製品を開発していると話し、日本の重要性をアピールしていた。