日本オラクル 常務執行役員 クラウド・アプリケーション事業統括 ERP/EPMクラウド事業本部長 桐生卓氏

日本オラクルは7月26日、「Oracle ERP Cloud」の最新動向に関する説明会を開催した。Oracle ERP Cloudは今年7月、最新バージョンの「Release 13」がリリースされており、説明会ではその注目点が紹介された。

初めに、常務執行役員 クラウド・アプリケーション事業統括 ERP/EPMクラウド事業本部長の桐生卓氏が、Oracle ERP Cloudのビジネスの概況について説明した。

グローバルでは、ユーザー数の合計は4137社に達しており、2017年度の第4四半期は868社増えたという。

日本においても広範囲な業務領域で案件が増加しており、エンタープライズ領域では、海外拠点を展開する際に購買の導入が増えているほか、「2層ERP」と「製品統合マスタ」による用途が増えている。中堅・中小領域では、会計/SCMを含めたビッグバンの案件で採用が進んでいるという。

Oracle ERP Cloudのラインアップ

米Oracle シニアバイスプレジデント サプライチェーン&製造アプリケーション開発 リチャード・ジュエル氏

Release 13は、Oracle ERP Cloudの中でも特に「SCM Cloud」の機能が大幅に向上しているということで、米Oracle シニアバイスプレジデント サプライチェーン&製造アプリケーション開発 リチャード・ジュエル氏が、SCM Cloudの詳細を説明した。

ジュエル氏はIDCのサプライチェーンに関する調査レポートにおいて、2020年までに「サプライチェーンのデジタルトランスフォーメーション」「コグニティブコンピューティング/AIの利用」「B2Bコマース」「コンシューマーに直接製品を提供」が実現するとされていることを引き合いに出し、クラウドはこうしたデジタルサプライチェーンを実現する最適な手段と述べた。

そして、競合他社に対する、同社の強みについて「他社は、サプライチェーンのクラウドサービスをマネージドサービスとして提供しており、サブスクリプションの提供にとどまっている。しかし、われわれは、オンプレミスのアプリケーションを書き換えるのではなく、将来の課題を解決できるよう、ゼロからアプリケーションを構築している」とアピールした。

また、モバイルデバイスに慣れ親しんだミレニアル世代が企業に入社してくることを踏まえ、彼らが便利に使えるように、ユーザーインタフェースは直感的な操作を可能にすることを目指しているという。

ジュエル氏は、SCM Cloud Release 13では、6つの新製品、200を超える新機能が追加されていると語った。

SCM Cloud Release 13の主な新機能

今後、リリースが予定されている機能としては、「Adaptive Intelligence Apps」が紹介された。同アプリケーションは、クラウドから収集したデータを分析し、パターンを発見して意思決定の最適化や同様の動きをするセグメントの特定を行うほか、最適な価格でルート・時間・不可に最適なキャリアの選択を行う。

「Adaptive Intelligence Apps」の概要