7月20・21日に開催された「SoftBank World 2017」では、多数の企業による製品・サービスの展示も行われた。今回はその中からいくつかの展示内容を紹介する。

CloudMindsの「META」

ヘルメットにはカメラやスピーカーを搭載。接続されたスマートフォンで通信を行い、クラウド上のAIが認識・判断を行う

基調講演に登壇したBill Huang氏がCEOを務める「CloudMinds」。こちらはステージでも紹介された、視覚障害者をサポートするヘルメット型ロボット「META」だ。車や人、障害物、駅のホームや信号といった周囲の状況をクラウド上のAIが認識し、音声でナビゲートを行うというもの。モノの認識や判断といった大きな処理をクラウド上で行うために、端末側はカメラ、スピーカーといった最小限の機器のみ搭載している。

中国ではすでに発表会が行われたそうだが、日本での発売は未定。ただし、AIにより多言語への対応は可能となっている。

AIが判断できなかったものについては自動的にオペレーターに転送され、オペレーターによって処理される。その処理がAIの学習に反映される

"お飾り"でない仕事の現場を任されたPepper

最近、店舗などで目にする機会が増えているPepper。製品・サービス案内やクーポン配布など、プロモーション的な用いられ方がほとんどだったが、店舗のワークフローに組み込んだ働きを提供するサービスも登場している。

こちらは飲食店での注文受付から決済までを行うクラウド型のサービス。決済完了後、厨房側の端末には注文内容表示させ、客へはレシートを出して受け渡し口へ誘導する。調理を除いた店員一人分のワークフローをこなしている格好だ。Pepperという付加価値がなければ自動券売機程度といったところだが、クラウド型であるだけに現場に立ってから成長していく可能性もあるだろう。

決済はORIGAMIとアリペイの他、オプションで電子マネー決済への対応も可能

IoTを支えるネットワークと位置情報

今年度中に3号機・4号機の打ち上げが予定されている準天頂衛星「みちびき」。その位置情報と、日立の屋内測位技術「IMES」をシームレスに運用することで、屋内・屋外を問わず正確な位置測定を提供するサービス。「みちびき」が完全な形で運用されるようになれば、センチメートル単位での位置測定が可能になる。屋内測位との連携により、建物の階層まで把握したナビゲーションや、O2Oサービス、災害時の誘導といった用途が想定されている。

IoTの要素として、ネットワークやセンシングに加え、位置情報も大きな役割を果たす

一方、こちらは低消費電力・広域をカバーするLPWAネットワークを使った実証実験。ソフトバンクが藤枝市内にLPWA環境を用意し、これを利用した子どもの見守りシステム(位置情報検索や登下校確認)を構築。今年度内に運用を開始する予定。また、このネットワークを用いた実証実験を行う企業を公募し、水位監視システムや農業に用いるセンサー開発など、11社が選定されている。

ランドセルにつけられているのは、位置情報を送信するタグ。今年度中に市内の小学校1年生に配布され、利用が開始される予定