watchOS 4によって、Apple Watchは「ジムのキング」のような存在になるだろう。その理由は、筆者の日々のジム通いの中でも見出すことができる。

筆者のジムでのルーティンは、ウォーキングやジョギングがない場合は、30分の室内バイクと、15分の筋力トレーニング、というものだ。木曜日はときどき、1,000mの水泳を取り入れている。そのいずれも、Apple Watchで計測可能なものだ。

この中で、30分の室内バイクについては、いつも違和感を覚えていた。Apple Watchは手首に装着されており、心拍数だけが取れている状態で、室内バイクの消費カロリーを計算している。一方で、室内バイクのマシンにも心拍計がついており、また回転数や走行距離も表示され、それらを総合して消費カロリーが表示される。常に、Apple Watchに表示されるカロリーよりも、バイクのディスプレイのカロリーの方が多いのだ。ちょっと、損した気分になっていた。

Apple WatchはwatchOS 4で、内蔵しているNFCとBluetoothの対応範囲を拡大する。また追加されるGymKitによって、室内バイクとApple Watchが連携するようになるのだ。

watchOS 4以降は、ジムのバイクやトレッドミルとApple Watchが連携するようになる

バイクのエクササイズをApple Watchで起動し、マシンにタッチすると、BluetoothでバイクとApple Watchの通信が始まり、バイクの回転数や走行距離、Apple Watchの心拍数が、バイクのディスプレイにまとめて表示されるようになるという。これによって、バイクの負荷や回転数に応じた正確なカロリー計算が実現されるようになる。そしてワークアウトが終わると、全てのデータがApple Watchに吸い上げられ、マシンからは削除されプライバシーが保たれる仕組みだ。

また、米国の高級フィットネスジムEquinoxでは、スピンバイクによるグループエクササイズのアプリを構築し、グループレッスンをしながら、コーチが個別の人の状況を把握しながら指導していくことができる仕組みを公開する予定だ。

PRAMAと呼ばれる、エンターテインメント性の高い室内グループエクササイズは、コーチがApple Watchによってマシンのコントロールを行える仕組みを披露し、よりシンプルで効果的な指導を実現する。

光る床や壁に従って動くPRAMA。コーチ向けのApple Watchアプリは、指導に集中しながらのコントロールを実現する

Apple Watchは秋以降のアップデートで、Bluetooth機器との直接的な連携を行うことができるようになる。例えば、筆者はテニスも好きでプレーするが、テニスラケットに装着するセンサーZepp Tennisも今後Apple Watchアプリと連携できるようになるため、サーブの練習の際、わざわざベンチのiPhoneを確認しに行かなくても、会心の一球のデータを確認できるようになる。

またサーフボードに装着するセンサーを販売するXensrも、Apple Watchアプリをサポートする予定で、サーフィンの波のデータや速度などを、すぐに手首で確認可能となる。