多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『山間部で格安SIMのエリアはだいじょうぶ?』という質問に答えます。

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いわゆる「格安SIM」は、実際に回線を持つ通信会社(MNO)から回線を借り受け、それを小口に分けて安価で提供する「仮想移動体通信事業者」(MVNO)が提供するSIMカードです。そのため、格安SIMで利用できる通信回線のサービスエリアは、契約しているMVNOが利用しているMNOのサービスエリアを調べればわかるということになります。

もっとも、日本国内で提供されている格安SIMの多くは、NTTドコモの回線を利用しています。ですから、auやソフトバンクの回線を使うMVNOを除くと、対象の山間部付近におけるNTTドコモのサービスエリアを調べれば(WEBページで確認可)、通信できるかどうかがわかります。

しかし、MNOのサービスエリアを調べるだけでは不十分です。スマートフォンによって「対応バンド」に差があるためです。

多くのMVNOが利用しているNTTドコモの場合、3G回線はBand 1/6/9/19、4G回線はBand 1/3/19/21が割り当てられています。すべてのバンドに対応している端末であれば、時間帯によってはつながりやすさや通信速度に差があるものの、MNOが提供するサービスエリアをフルに活用できるということになります。

問題は、海外製端末など安価に提供されているスマートフォンの中には、上述したバンドのすべてにハードウェアとして対応していないものがあることです。Band 6はFOMAプラスエリアで利用されており、郊外や山間部で活用されていますから、山間部でのつながりやすさには大きな影響があります。格安SIMかどうかということより、利用している端末がBand 6に対応しているかどうかをチェックするほうが、山間部へ出かける前の準備としては重要です。

山間部へ出かけるときには、格安SIMかどうかより端末の「バンド対応」のほうがつながりやすさに影響します