歯並びの悪さが気になったら、まずは歯科医に相談することから始めたい。「歯は毎日動いているのだから、自力で矯正できそう」 と思う人もいるかもしれない。だが理想の歯並びに近づけるには、時間をかけて少しずつ歯を強制的に動かしていく必要がある。

「子どものうちは、歯や骨格の成長に合わせて矯正を考えられますが、大人になると骨が硬くなるので、じっくり時間をかけて歯を動かす必要があります。歯並びにも人それぞれ悩みがあるので、きちんと診断してくれる先生を選ぶことです」

上の歯や下の歯が前に出ていたりする場合、歯と歯の間にすき間があったりする場合、噛み合わせが合わなかったりする場合など、気になるところを相談し、矯正のプランを立てていくことが必要になる。

大人でも子どもでも、歯は日々動いている

矯正の種類

矯正は固定式の「ブラケット」と「マウスピース」や「プレート」に代表される可撤式のものとに大別できる。

ブラケットは、一つひとつの歯に矯正装置をつけて動かすもの。0.1mm単位で比較的正確に細かく歯の位置を決められ、動かせる範囲も広いためキレイな歯並びを実現できる。また、長く活用されているため幅広い症例に適用できるメリットもある。

ただ、「歯に装置がついているのは目立って嫌だ」という人も多くいる。今は透明のブラケットや歯を動かすワイヤーが白いものもあるので、「歯に金属がずらりとついている」というかつてのイメージとは、だいぶ変わってきているという。

ブラケットを表につけたくないという人は、歯の裏側につける「舌側ブラケット矯正」という選択肢もある。だが、歯の裏側は舌がよく当たる場所なので、ブラケットの触感が気になるというデメリットもある。