日産自動車が主力SUV「エクストレイル」をマイナーチェンジして発売した。変更点はいくつかあるが、最も目を引いたのは運転支援システム「プロパイロット」の搭載だ。今回はエクストレイルに乗って新機能を試しつつ、日産が「自動化」と「電動化」を2本柱に進める技術開発の方向性について考えてみた。

試乗した「エクストレイル」はハイブリッドタイプだった

SUVに運転支援機能を展開

日産のSUV「エクストレイル」に、メーカーオプションとして運転支援機能「プロパイロット」が設定された。これは、先にミニバンの「セレナ」に設定された機能で、スイッチを入れると、同一車線内で加減速と操舵を自動的に支援し、より快適な運転ができるようにする。現段階では自動運転と言えず、運転者が操作の責任を負う運転支援だが、適切な条件下であれば、あたかも自動運転のような走りを体験することができる。

ハンドルの右側スポークにあるプロパイロットスイッチを入れ、次に、追従型クルーズコントロールのスイッチを入れると、前を走るクルマとの車間距離を保ちながら、設定速度内で現在走行中の車線内を維持するように、クルマが自ら制御する。前走車がいなければ、設定速度を維持して走行を続ける。

青いマークが見えているのがプロパイロットのスイッチだ

国産車では、スバル「アイサイト」に追加されたツーリングアシストが登場するまで、ハンドル操作をクルマが主導し、車線内を維持する機能は日産セレナのみであった。エクストレイルがマイナーチェンジを受ける時期を捉え、プロパイロットを設定したのである。セレナ発売から約10カ月を経て、今回試乗したエクストレイルのプロパイロットは、着実な進化を体感させた。

進化とは何かといえば、より自然な操作になり、あたかも自分で運転しているかのような、違和感のない作動となったのである。

実は、昨年セレナに搭載されたプロパイロットも、一部の自動車ジャーナリストが評論したほど不出来ではなかった。技術面では改善すべき点があったかもしれないが、機能としては利点を実感できるものであった。