仮想通貨「Bitcoin(ビットコイン)」に注目が集まっている。2017年初頭はまだ1 Bitcoin (BTC)あたり1,000米ドルを下回る価格だったものが、現在は2,600米ドル前後にあり、一時は3,000米ドル付近まで上昇する傾向もみられた。2018年中には1 BTCが5,000米ドルにまで上昇するという観測もあり、何かと話題になっている。なぜBitcoinの価格が近年このように急上昇するまでになったのか、他の類似の仮想通貨も合わせてその事情を紹介する。

Bitcoinの価格上昇メカニズム

「仮想通貨」などと呼ばれるBitcoinだが、技術的には「暗号通貨(Crypto Currency)」の名称で呼ばれている。暗号技術を使って価値の移転(つまり他者への譲渡)や安全性が担保されているからだ。本来Bitcoinそのものは価値を持たないが、世界中にあるBitcoin交換所(取引所)でドルや円といった実際の流通通貨との交換が保証されることでレートが決定されている。最近はビックカメラといった日本の家電チェーンでもBitcoinを使って決済を行うサービスを提供していたりするが、基本的には交換所の存在が手持ちのBitcoinの価値を保証していると考えていい。

ビックカメラではBitcoinを含む複数の支払い手段への対応をアピールしている

このようにして決定されたBitocinの米ドルとの交換レートの推移を示したのが次の図だ。2010年以降の数字をみていくと、100ドル前後で安定していた価格は2013年後半に急上昇を見せ、2014年に下落傾向となり、2015年には250~300米ドル程度の水準で安定している。この2013年後半から2014年前半にかけては、マウントゴックス(Mt. Gox)というBitcoin取引所での支払い停止が騒がれた時期で、いわゆる最初期のBitcoinバブルから崩壊までのタイミングに該当する。この時期、マウントゴックスでの取引量が急増していたことが後に報告されており、交換レート上昇を見込んだ投機資金が大量にBitcoinに流れ込んだと考えられている。

2010年以降のBitcoinと米ドルの交換レート推移(出典:Google Finance)