説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『USBハブを使うとiPhoneの充電がなかなか終わりません!?』という質問に答えます。

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USBハブは、複数のUSB機器を接続し信号を分配するための周辺機器です。USB端子を持つ機器につなげば、USB端子を増設したことと同じ効果が得られます。

たとえば、USB端子が1つしかないパソコンを利用しているとき、そこにUSBメモリを挿しているとiPhoneを接続できませんが(USB-Lightningケーブルを挿す余地がない)、USBメモリを抜いたところに端子を2つ持つUSBハブを接続すれば、USBメモリとUSB-Lightningケーブルの両方を同時に接続できます。4つのUSB端子を備えるUSBハブを利用すれば、端子2つの余裕すら生じます。

ただし、USBハブには「セルフパワー」と「バスパワー」の2種類があります。かんたんにいうと、前者は専用のACアダプタを通して電力供給されるタイプ、後者はUSBハブが接続する機器から電力供給されるタイプの製品です。ACアダプタを接続したときはセルフパワーで動作し、接続しないときはバスパワーで動作する、というしくみのUSBハブも存在します。

ひょっとして、利用しているUSBハブはバスパワー型ではないでしょうか? USB 2.0の規格は電圧5V/消費電流500mAとされているため、USBハブに接続した機器の総電流が500mAを超える場合、バスパワーによる給電は難があります。4つのUSB端子を備えたUSBハブの場合、各端子に最大125mAの電流しか配分できないことになり、充電速度はそのぶん低下します。

この問題を解決するには、セルフパワー型のUSBハブを利用するか、USBハブ以外の電力供給源(例:モバイルバッテリー)を用意するしかありませんiPhone 6以降は最大1.4Aという電流で充電できますから、複数のUSB端子を備えた高出力型モバイルバッテリーを用意したほうが効率的です。

バスパワー型のUSBハブを利用すると、iPhoneの充電速度がかなり低下することがあります(写真はイメージです)