新日鉄住金ソリューションズ Webサイト

大手鉄鋼メーカーである新日鐵住金のグループ企業の一員でもあり、システムインテグレータ等情報技術のスペシャリスト集団でもある新日鉄住金ソリューションズ。ものづくりと先端技術の追求の系譜を持つ同社は、24時間365日ノンストップの生産体制など厳しい製鉄というプロセスを40年以上ITで支え続けている。2007年には、クラウドサービス「absonne」を提供、現在では、製造・消費財はもちろん、流通や金融、サービスや通信と広範なソリューションを展開している。 今年5月にはDeep Learningを用いた画像認識プラットフォーム「KAMONOHASHI」も開発している。リソースの確保やデータ収集、学習履歴の管理といったAIの継続的な運用に必要な煩雑な処理からの解放を主眼に同社研究開発部門のシステム研究開発センターが取り組んできた成果のひとつだ。AIにも力を入れている同社だが「AI・人工知能EXPO」会場で紹介していたのは、世界最高峰のデータサイエンティストによって開発された機械学習自動化プラットフォーム「DataRobot」。

新日鉄住金ソリューションズブースのひとコマ。ブース内で開催されたミニセミナーは各回大盛況でご覧のような人だかり。世界で最も先進的なエンタープライズ機械学習プラットフォームと銘打たれている「DataRobot」に来場者は高い関心を寄せていた

この「DataRobot」は先にも述べたように、世界最高峰のデータサイエンティストらの知識が凝縮されている。「何をもって世界最高峰なの?」とお思いの読者の方々、かく言う筆者も同様に脳内にクエスチョンマークが現れたのだが、全世界で約60万人がその技術を競い合う「Kaggle(kaggle.com)」におけるランキングで100位以内に入ったことのあるメンバーが14名、「DataRobot」の開発チームに在籍しているのだという。しかも、14名中3名はランキング1位を獲得したことのある猛者。「世界最高峰のデータサイエンティストらの頭脳」との謳い文句は伊達ではない。「Kaggle」内で企業が提供した様々な課題に対して、その予測モデルの精度により順位が決定するランキング形式なだけに、彼ら世界トップクラスの開発メンバーによる予測モデル構築ノウハウが詰め込まれた「DataRobot」が、いかに正確な予測モデルを生み出してくれるかがおわかりいただけるのではないだろうか。

こちらが「Kaggle(kaggle.com)」のWebサイト。世界中の統計学研究者や数学研究者、経済学研究者らがその予測モデル構築に鎬を削り合う

さらに、この「DataRobot」には大きな特徴がある。それは、まるで電子レンジのように予測モデル作成に必要なデータをドラッグ&ドロップで読み込ませて開始ボタンを押すだけで後は自動で予測モデルが出来上がるという手軽さだ。問題定義を行い、データ収集・加工、モデルの作成や実装を行うなどいくつかの段階を経て行われていたプロセスが「DataRobot」では、データソースを読み込ませ“ポン”と開始ボタンを押すだけで、数百の予測モデルが自動で生成され、そのなかから最適なモデルを選択し実装する。さらには、生成された最適な予測モデルを用いてアウトプットされた結果を確認するだけでよいのだ。「DataRobot」がもたらしてくれる“世界最高峰の英知+オートメーション化”は非常に強力なストロングポイントといえるだろう。

新日鉄住金ソリューションズブースに掲示されていたパネルには、国内導入事例として三井住友カードのマーケティングや与信管理業務等での活用事例も。予測モデルが弾き出す解の精度の高さが業務効率の向上やデータからの新たな知見などの効果が報告されていた

「DataRobot」で自動化される機械学習アルゴリズムだが、ランダムフォレストや勾配ブースティンといった決定木系、ロジスティック回帰やエラスティックネット回帰といった回帰系、Tensor Flowによる深層学習などのニューラルネット系、平均アンサンブルや主成分アンサンブルといったアンサンブル手法など、様々なものが用意されている。想定される対象ユーザーも多種多様だ。マーケティングや金融、Eコマースや人事、FinTechなどあらゆるビジネスシーンでの利活用が望めるが、特に製造業において強みをもっているようだ。国内大手の電機メーカーがR&D部門に導入し効果を上げているほか、国内大手ガス事業者においても同様に成果を上げているという。

世界最高峰の英知に加え自動化で手軽に予測モデルを作成できる「DataRobot」。本稿をご覧になっている読者諸兄のビジネスを、一歩も二歩も先へ進められる可能性を秘めたサービス、一考する価値は十二分にあるのではないだろうか。