RightMark Multi-Thread Memory Test 1.1(グラフ35~36)

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ここからは内部分析編である。まずはメモリ帯域をRMMTで確認してみた。グラフ35がReadの結果であり、8 Thread時のスコアは大体妥当だと思うし、Core i7-6950Xと比較してCore i7-7820X/Core i9-7900Xの帯域がやや高くなっているのは、メモリコントローラの再設計や内部のInterconnectの刷新によるものだろう。

問題は1 Threadの場合である。ここでCore i7-7820X/Core i9-7900Xの帯域がRyzen 7 1800Xよりも低いというのはかなり不思議な傾向である。そもそもLSU(Load Store Unit)の帯域を考えると、Skylake以降はRyzen 7の倍(これはAVX512をサポートするため。Ryzen 7はAVX256までのサポートなので帯域は半分で足りる)であり、実際Core i7-6950Xはこれを反映した帯域になっている。この部分はSkylake-SPコアでも変わらないはずで、かなり不可解な部分だ。

この傾向はWrite(グラフ36)でも同じだ。WriteではCore i9-7900Xがピークで32GB/sec近くを叩き出しており、これは素直に凄い(同じDDR4 4chのCore i7-6950Xはピークでも25GB/sec足らず)のだが、こちらも1 ThreadだとCore i7-6950Xにおよばない。さすがにRyzen 7 1800Xより遅いということはないが、単にコアの構成以上の違いがあり、それが影響をおよぼしたものと考えられる。