そうすると、「戦って勝って倒してナンボではないドラマ」というのか、"人の生き方"というのがある。そういう人生をこのseason2でいうと、千翼はもちろんのことながら、悠であれ仁であれ、各登場人物が生き始めていたんだと思うんですよね。「仮面ライダー」も46年もやっていると、当たり前になりかけているんだけど、繰り返してきたからといって「使い古された」「擦り切れた」ものではなくて、すごいことを扱っているんだと思いますよ。変な話、若干ニチアサ的な「仮面ライダー」シリーズに、言葉は悪いけど飽き飽きして『アマゾンズ』やってますという部分も多分にあったんだけれど、改めてそういう、ベタにいうと「仮面ライダー」のもっている可能性に『アマゾンズ』を通じてもう一度気づかされたと思いました。

――最後に、『アマゾンズ』に続いてリブートしたい作品などはありますでしょうか。

もともとが『仮面ライダーアマゾン』ってすごくヘンテコな番組だったじゃないですか。密林から野生児が裸でやってきて……っていう、それ自体でもすごいことで。そこまですごくはないんですよ、『アマゾンズ』は。従来の「仮面ライダー」シリーズが描けなかったような領域につっこんでいると思いますけど、存在としてはやはりまじめに作られた「仮面ライダー」作品だと思うんですよね。不真面目にやりたいのではなくて、偉大なる先人たちのあとを継いでいる「仮面ライダー」だからこそ、裸じゃないにしても、それに並ぶような、根本的に「これはすごい!」というのができたらいいと思います。

――もう一つだけ。『アマゾンズ』の映画化など、ほかの展開を望む声もあるかと思うのですが。そういったことは考えておられますか?

考えてますよ。具体はこれからですけど、『アマゾンズ』はスタッフもキャストもみんな"濃い"ですよね。こういう"濃さ"というのは、その延長線上にまたなにかあるのではないかという気はしています。この"濃さ"を純粋培養していった先になにか次のもの、配信から飛び出して映画になることが広がったというふうには思わないですけど、でもなにかすごいものができそうだという予感はするので。

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