10月8日からオーストラリアで「World Solar Challenge」が開催される。これは、各国からチームが参加する世界最高峰ともいえるソーラーカーレースで、今回で14回目。約3,000kmを走破するこのタフなレースの制覇を目指すチームがある。工学院大学だ。

工学院大学にこの「ソーラーチーム」が発足したのは2009年のこと。2012年に開催された国内大会で優勝し、2013年に国際大会へ参戦。2015年の国際大会ではクルーザークラスで準優勝し、そして昨年開催された国内大会で優勝の栄冠に輝いた。

ちなみにWorld Solar Challengeには3クラスあり、スピードを競う「チャレンジャークラス」、2人乗りで巡航する「クルーザークラス」、旧レギュレーションの「アドベンチャークラス」となる。

披露された工学院大学のソーラーカー「Wing」

今回、工学院大学が挑戦するのは、もっとも早くゴールを目指すチャレンジャークラスとなる。2009年のチーム発足以来、着実にステップアップを進め、いよいよ頂点にアタックするというワケだ。

大学も力を入れるソーラーカー

この工学院大学によるソーラーカーへの取り組みは、学生が主体となっている。車体の設計・製造は、ほぼ学生たちの手によるもの。広報・企画・財務といった、車体製造に直接関わらない部門も、学生たちが主体となって行う。

とはいえ、学生だけではままならないことも多い。当然、工学院大学や協賛企業のサポートも受けることになる。

まず、大学側だが、かなりの熱の入れようだ。たとえば、2017年4月に「ソーラービークル研究センター」を設立。工学院大学全4学部から、19名の教員と3名の職員が集結し、ソーラーチームの活動をサポートする。各教員は“タイヤの転がり抵抗”など、ソーラーカーの開発・製造に欠かせない研究を行っている。こうした知見を生かし、世界制覇を目指す車体製造に挑戦したのだ。

左からドライバーの石川はるかさん、濱根洋人監督、中川拓朗学生キャプテン