日本マクドナルド、ローソン、ガスト(すかいらーく)が「ハワイ」をテーマにコラボキャンペーンを展開する。推していく商品はずばり「ロコモコ」だ。この豪華コラボは、なぜ実現したのだろうか。そして、得をするのは誰なのだろうか。

「ロコモコ」を核に豪華コラボが実現(左端がハワイ州観光局のエリック高畑局長、左から2人目が日本マクドナルドのサラ・L・カサノバCEO、中央がすかいらーくの谷真社長、右から2人目がローソンの竹増貞信社長)

ハワイ州は集客が狙い、今が格好のタイミング

ハワイ州観光局の声掛けで始まった今回のコラボ。「LOCOMOCO ALLSTARS」として同局から認定を受けたマック、ローソン、ガストの3社が、各店舗でロコモコに関する商品を展開する企画だ。具体的に言うと、マックではハンバーガーの「ロコモコ」、ローソンでは「からあげクン ロコモコ デミグラスソース味」など、ガストでは「チーズINロコモコボウル」を販売する。

ハワイではロコモコにエナジーフードとしてのイメージを持つ人が多いそう。食欲が減退しがちな日本の夏にキャンペーンを展開するには、ロコモコが格好のメニューだったようだ。

ローソンが発売する「からあげクン ロコモコ デミグラスソース味」

ガストの「チーズINロコモコボウル」

このキャンペーンが実現した背景と参加者の狙いが気になったので、主催者と参加者の双方に話を聞いてみると、まずハワイ州には、日本からの渡航者を増やしたいという考えがあるという。ハワイ州観光局局長のエリック高畑氏によると、日本におけるハワイ観光の歴史は長いが、昨年から今年にかけては、東京とコナ(ハワイ島)を結ぶ直行便も就航したとのことで、今が日本からの集客に注力したいタイミングのようだ。

「本場で食べたい」と思ってもらえるか

ハワイ州観光局のPRマネージャーを務める宮本紗絵氏に詳しく聞くと、ハワイを訪れる日本からの渡航者は年間150万人に達する。しかし、人口を考えればまだまだ増やせるというのがハワイ州の考えだ。全国にチェーン展開する3社とロコモコのキャンペーンを実施し、気軽にハワイに触れてもらうことで、日本からの集客につなげたい。シンプルではあるが、これがハワイ州の狙いだと言える。どこかでロコモコに関する商品を食べた客の一部にでも、「本場で食べてみたい」と思わせることができれば、ハワイ州の目的は達成となる。

コラボの発表会にはハワイ州観光局キャラクターのShakaちゃんも駆けつけた

今回のキャンペーンで声を掛けたのは3社のみ。マックとは「ロコモコバーガー」を公認してきた(詳しくは後述)という間柄にあり、ローソンとは2年前に「ハワイフェア」を実施したという経緯がある。すかいらーくは横浜市本牧にハワイアンダイニング&カフェ「ラ・オハナ」を2017年6月にオープンしており、外食では「ここしかない」(宮本氏)と考えたそうだ。ファストフード、コンビニ、レストランと業態の違う3社と組むことで、ハワイ州は呼び込みたい潜在顧客とのタッチポイントの数を増やした。

なお、LOCOMOCO ALLSTARSの参加企業は増える可能性があるという。「ポキ」など、ロコモコ以外の食べ物をテーマとするコラボについては、「機会があれば考えていきたい」(宮本氏)とのことだった。

では、コラボに参加する企業の思惑はどのようなものだろうか。マックに話を聞いてみると、同社にとって今回のキャンペーンが“渡りに船”であることが分かってきた。