台風やゲリラ豪雨が急増する6月から9月ごろにかけて重宝するのが、雨雲の位置を表示してくれるレーダーサービスだ。地域単位で提供される一般的な天気予報サービスと違い、地図上で位置がピンポイントで把握できるほか、グラフィカルな表示で雨の強さまで正確に表示できるので、状況を的確に判断するのに役立つ。また、過去の状況を表示するだけでなく、今後の雨雲の動きを予想できるサービスも多く、行動の予定を立てるのに重宝する。

こうした雨雲の位置をグラフィカルに表示できるサービスは官民問わず数多く運営されているが、今回は定番とされるサイトは敢えて除外し、情報量が豊富なこと、もしくはデザインが洗練されていることを条件に、5つのサービスを紹介する。それぞれ特徴が異なるので、目的に合わせて使い分けてほしい。

雨雲と降水量を5分刻みで再生できる「雨雲ズームレーダー」

雨雲ズームレーダー

「Yahoo!天気・災害」が提供するコンテンツのひとつで、Yahoo!地図をベースに、雨雲とその降水量を5分刻みのアニメーションで表示できる。データは過去2時間に加えて今後1時間の予報も表示でき、降水量は色分けで表示される。同じ画面上で雨に関する警報や注意報の一覧も表示されるので、ひとつのウィンドウで天気情報などすべてを表示させたい場合に向く。アニメーションの速度を変更する機能も備える。

雨の強さや雷、竜巻の情報も表示できる「高解像度降水ナウキャスト」

高解像度降水ナウキャスト

気象庁が運営するサービスで、最大3時間前から1時間後まで、降水量を5分刻みのアニメーションで表示できる。サイトのデザインはやや古く、操作性も決してよくないが、同じ雨でも「やや強い雨」「強い雨」「激しい雨」など表示レベルを指定できるほか、竜巻や雷の情報も表示でき、さらに別サイトでは6時間後、24時間後までの降水予報も提供するなど情報量は豊富。アニメーションの速度を変更する機能や画像保存機能も備える。

24時間前から雨雲の動きを追える「リアルタイムレーダー」

リアルタイムレーダー

国土交通省防災情報提供センターが運営するサービスで、5分刻みで雨雲の動きをアニメーション表示できる。最大24時間前からの再生に対応するなど長期間の過去データが参照できるのが強みだが、5分刻みで表示できるのは最大3時間前までで、6時間前からの再生は10分刻み、24時間前からの再生は1時間刻みとなる。地名や道路名、鉄道路線名など地図上の情報を任意にオン・オフできるのが強みだが、解像度はあまり高くなく、拡大するとドット表示になるのが弱点。

10日先の雨雲予報をチェックできる「SCW」

SCW

予報に特化したサービスで、複数のモデルを切り替えることで、最大で約10日後までの予報データを表示できることが特徴。雨量・雲量のほか、気圧・風速、気温・湿度についても表示できる。表示倍率はモデルごとに決まっており、特定の地域のみズームアップして表示するような使い方は苦手。アニメーションの自動再生は非対応で、ボタンを繰り返し押すか、画面上でホイールを回すことで擬似的にアニメーションとして表示できる。

世界中のWebカメラから現地天候を表示できる「Windy」

Windy

今回紹介する中で唯一の海外サービスで、10日後までの天候や風量、気温などの予報データを滑らかなアニメーションで表示できる。データは1時間刻みで、全世界に設置されているWebカメラを通じて現地の天候を見られるなど、ほかのサイトにない先進的な機能を備えており、グラフィックの美しさも突出している。海外サービスゆえ日本語の地名が表示できないのがネックだが、インターフェイスの多くは日本語化されており、日本語での地名検索にも対応している。