説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『迷惑メールは消さずに移動したほうがいい、ってどういうこと?』という質問に答えます。

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「迷惑メールは消さずに移動したほうがいい」ことの意味は、迷惑メールかどうかを判定する機能の学習効果をいっているのではないでしょうか。iPhoneの場合、iCloudメールには「自動迷惑メールフィルタリング」という機能があり、ユーザの受信ボックスへ振り分ける前に迷惑メールをブロックしていますが、その判定精度向上に検知できなかった(受信ボックスに届いてしまった)迷惑メールが役立ちます。

iCloudメールの「自動迷惑メールフィルタリング」は、iPhone上には存在しません。メールサーバにメールが届いたとき、受信ボックスへメールを振り分ける前の段階で動作するクラウド上のソフトウェアです。そのためユーザの目に入ることはなく、設定をオン/オフすることもできません。

仕様の詳細は明らかにされていませんが、「自動迷惑メールフィルタリング」はトレンド分析や動的リストなどの技術を迷惑メールの検出に役立てています。ここでいうトレンド分析とは、迷惑メールと覚しきメールから抜き出した語句をデータベース化し判定材料にするという意味で、動的リストとは送信主の情報(IPアドレスなど)をメールから読み取り、過去に迷惑メール送信に利用されたサーバのブラックリストと照合することを指します。

フィルタされ損ねた迷惑メールは、通常のメールとともに受信ボックスへ振り分けられますが、それを放置したりそのまま削除したりすると「自動迷惑メールフィルタリング」の学習対象になりません。検出精度を向上させるためにも、手動で迷惑メールボックスへ移動し、しばらくしてから削除するようにしましょう(どのタイミングで学習されるか明らかにされていないため)。

迷惑メールと覚しきメールを迷惑メールボックスへ移動するには、メール一覧画面で対象のメールを左方向へスライドします。現れたグレーの「…」ボタンをタップし、メニューの「メッセージを移動...」をタップすると、移動先に迷惑メールボックスを指定することができます。

迷惑メールはいきなり削除せず、「迷惑メールボックス」へ移動すると、その後の検出精度向上に役立ちます