ウシオ電機が働き方改革に本格的に取り組むべく、社内プロジェクトをスタートさせたのは2015年1月のことだ。きっかけは、当時、東京オフィスが入居していたビルの取り壊しが決定したことだったという。

「2014年秋に、2022年の取り壊しが決定しました。そこで東京オフィスを移転することになったのですが、この時社長から単なる引っ越しにせず、ワークスタイルそのものを変革する機会と考えてほしいという話がありました」と語るのは、ウシオ電機法務部の宮地加根子氏だ。

拠点移動というのは、いろいろなことを変化させるきっかけになる。ウシオ電機でも単なる移設・移動・オフィスレイアウトの変更という表面的な変化ではなく、ワークスタイルを根本的に考え直し、移転先はその新しいワークスタイルを実現できる場として準備するというプロジェクトの契機になったわけだ。

働き方プロジェクト発足の背景と趣旨

必要な機能を備えたオフィスを作るためのプロジェクトチームを発足

「社長からの基本的な方針としていわれていたのは、ショールームの設置とホワイトカラーの生産性向上でした」と語るのは、ウシオ電機 経理財務部 経理担当部長である瀧澤秀明氏だ。

光を熱エネルギー、光化学エネルギーとして利用し、新しい光市場を創造するという事業方針で活動してきた同社では、多彩な商材を扱っている。半導体や液晶製造に使われるランプやレーザー、装置などのほかにバイオメディカル分野も手がけているが、来客時に自社製品を説明できる場所を持っていなかった。そこで、まずショールームが必要だと考えられた。また、新事業を創出するイノベーティブな組織にするため、社員同士が交流できるようなオフィス環境も求められた。

ウシオ電機では、これらを実現していくにあたり、内田洋行に協力を求めた。

「移転にあたってしっかりとした機能を備えたオフィスにしようと考えた時、文書削減やフリーアドレスの導入、新しいIT設備の導入といったことはよくある手法なので、それについて調べている中で自社で働き方変革を実践されていた内田洋行さんに出会いました」と瀧澤氏は語る。

当初は新オフィスにどのような機能を持たせるかという視点が強かったが、内田洋行にリードしてもらうことで働き方改革というアプローチの手法に着手できたという。