――藤田さんも、「season2の仁さんはもう人格が破たんしちゃうんじゃないか……」とおっしゃっていました。

谷口:(東さんに向けて)もう、大変だったよね。

――5年の変化もギュッと凝縮された感じだったのですが、あれは短い期間で撮影されたのですか?

谷口:撮影自体も短かったのですが、あれはああいう台本だったんですよね。細かい設定は無視しました。5年の間に何があったかというのは台本に語られていたこと以外は考えずに、とにかくまっすぐに「アマゾンを全部殺す!」という信念だけでやろうと思ったので。

目が見えなくなっているというのもその場で言われたことですし。「ボンヤリと見えている」くらいで書かれていたのが、現場に行ってみたら真っ白になっていた、みたいな。「谷口くん、まったく見えなくていいから」って。

――それは監督からですか?

谷口:そうです。田崎(竜太)さんがまったく見えないコンタクトレンズを用意してくれていました。本当に見えないんですよ。それを付けて芝居していました。

――撮影前に、どんなことが5年のあいだに彼らにあったのか……といった掘り下げる話し合いは、小林さんたちとのあいだでありましたか。

谷口:それは全然しませんでした。ただseason2という作品ができる前に、鷹山仁に対する思いだったり七羽さんに対する思いというものを小林さん含め、石田秀範監督からも聞きまして……。その中では、「僕たちはseason1で終わった方がいいのではないか」と。「僕たちはあそこが一番救われるんじゃないか、美しいんじゃないか」という意見をいただいたので、僕もそれはその通りだなと思いました。