【レポート】

後遺症が出る場合も! 髄膜炎の症状と原因を脳外科医に聞く

1 小児と高齢者の診断がつきにくい理由

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髄膜炎の特徴的な症状に頭痛がある

髄膜炎という病気をご存じだろうか。元モーニング娘。のメンバーで現在はママタレントとして活躍する辻希美さんが2013年、無菌性髄膜炎症候群と診断されて入院したが、この無菌性髄膜炎症候群も髄膜炎の一種だ。

髄膜炎は主に小児がなる病気だが成人も罹患し、場合によっては重篤化して日常生活に支障が出る場合もある。そこで今回は、高島平中央総合病院脳神経外科部長の福島崇夫医師に「髄膜炎の原因と症状」についてうかがった。

髄膜炎では頭痛が継続する

髄膜炎とは読んで字のごとく、脳や脊椎を保護している髄膜に炎症が起きる病気だ。主な症状としては「継続的な頭痛」「発熱」「項部(こうぶ)硬直」「意識障害」などが挙げられる。

項部硬直は聞きなれない言葉だろうが、項部とは首の後面の部分で、うなじのことを指す。項部硬直になると、あお向けになって頭部を持ち上げる際に抵抗感を覚えるという。また、立った状態で下を向くというように首を曲げる(前屈)動作をすると、髄膜が引っ張られて動きが硬くなり痛みが増悪する。これらが項部硬直の特徴だ。

「頭痛や発熱というと、日ごろから頭痛持ちの人は『またいつもの頭痛か』などと思われるかもしれませんが、髄膜炎は普通の頭痛と違って発熱が続きます。さらに髄膜炎が増悪すると眼球運動障害や聴力障害などを呈することもあります。こういった点が髄膜炎か通常の頭痛かを判別するためのポイントとなります」

成人ならば自ら症状を訴えられるが、小児が罹患した場合はうまく自身の症状が説明できない可能性もある。それゆえ、初期治療に遅れが出てくる可能性を福島医師は懸念する。

例えば小児が嘔吐した場合、頭痛を当人が訴えなければ、子どもが罹りやすい感染性胃腸炎を疑うこともある。嘔吐は周囲が客観的に判断できるが、頭痛は主観的なもので当人が話してくれない限り、周囲がその痛みをうかがい知ることはできない。そういった点で小児の髄膜炎には注意が必要だ。さらに感受性が鈍くなってきている高齢者も、頭痛や項部硬直などの症状が出にくくなっているため、髄膜炎の"サイン"を見落としやすくなるとのこと。

また、髄膜炎から脳炎に移行することの危険性を福島医師は指摘する。脳炎はくも膜のみならず脳実質に炎症が起きる病気で、けいれんや意識障害が起きる。炎症が起きた脳の部位によっては記銘力障害に陥り、後遺症をもたらすケースもあると福島医師は警鐘を鳴らす。

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目次
(1) 小児と高齢者の診断がつきにくい理由
(2) 夏風邪がはやる夏から秋にかけての季節は要注意
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