さて、コントロールセンターはより便利になっていくことが予測できるが、一つ、また混乱の種になりそうなのがロック画面の仕様変更だ。

iOS 11では、カメラの起動が画面全体を右から左へスワイプする操作に変更されたことで、通知をスワイプしようとしてカメラを起動する、といった誤操作をしてしまうことも少なくなかった。今回の変更では、そういった慣れた操作の役割に変更が加わったわけではなく、概念的な部分の変更に近い。よって、飲み込むのがややこしくなる。

その概念的な部分とは、簡単に言えば、ロック画面と通知画面が統合された、ということだ。しかし、少し掘り下げていかなければ理解しにくい部分もある。

iOS 11ではロック画面と通知画面が統合される

いままで、iPhoneのロックボタンを押すか、時間がたつと自動的に端末ロックがかかり、パスコードやTouch IDを使わなければデバイスが利用できない、セキュリティ機能的な側面がロック画面にはあった。

それが、iOS 10では、iPhoneを持ち上げて自分の方に向ければロック画面が表示されるようになった。また、ロック画面には通知がリストアップされる機能があり、3D Touchが採用されるようになったのち、簡単に内容を確認したり、そのまま返信を編集することもできるようになった。

iOS 10以降、通知とウィジェットを含め、ロック画面での情報取得や操作が可能になっていたのだ。その際、ロック画面でロックがかかったままでは操作できないものもあったため、それを実行しようとすると、パスコードもしくはTouch IDが求められる。そのため、あらかじめTouch IDに触れてロックを解除してから通知を見る、という手順に変わりつつあった。

「ロック解除されたロック画面がある」というのは、言葉で説明しようとすると、ちょっと分かりにくい状況だった。

他方、通知画面は、画面上部から下へスワイプして表示できる、届いた未処理の通知が蓄積されるスペースだ。

前述の通り3D Touchを用いてクイックアクションで返信や「いいね」を付けることもできるし、水分補給の記録アプリでは、何mlの水を飲んだかをボタンで選ぶだけで記録でき便利に利用できる。メッセージの返信の際も入力欄が表示されるし、3D Touchで通知を押し込めば、対応アプリでは届いた通知前後のメッセージのやりとりを通知の詳細画面を離れず確認できる。