『宇宙刑事ギャバン』と『特捜戦隊デカレンジャー』が、作品世界を超えて夢のコラボを果たすVシネマ『スペース・スクワッド』の公開とBlu-ray&DVD発売を記念し、2014年に発表されたVシネマ『宇宙刑事シャリバン NEXT GENERATION』および『宇宙刑事シャイダー NEXT GENERATION』の上映イベントが15日、東京・109シネマズ二子玉川にて開催された。上映後には、作品の生みの親というべき塚田英明プロデューサー(東映)、中野剛プロデューサー(東映ビデオ)、脚本家・荒川稔久氏がステージに登壇し、『シャリバン』『シャイダー』製作時の裏話や、同スタッフによる最新作『スペース・スクワッド』にかける意気込みなどを熱く語りあい、会場に集まった熱心なファンを興奮させた。

左から塚田英明プロデューサー、荒川稔久氏、中野剛プロデューサー

『宇宙刑事シャリバン NEXT GENERATION』『宇宙刑事シャイダー NEXT GENERATION』は、2012年に劇場公開された『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』(監督:金田治、脚本:小林雄次)で誕生した二代目宇宙刑事ギャバン・十文字撃の仲間として設定された二代目シャリバン=日向快(ひゅうが・かい)と、二代目シャイダー=烏丸舟(からすま・しゅう)をそれぞれ主役に迎えたスピンオフ作品。『ギャバン THE MOVIE』ではアクションシーン以外にほとんど活躍する場面がなかっただけに、快と舟のパーソナリティを深く掘り下げる作業は製作スタッフにとって念願のひとつであった。

『宇宙刑事 NEXT GENERATION』製作のきっかけとなったのは、中野氏と坂本浩一監督が『俺たち賞金稼ぎ団』(2014年)で組んだことだったという。『俺たち賞金稼ぎ団』とは、「TOEI HERO NEXT」と銘打ち、『獣電戦隊キョウリュウジャー』(2013年)でヒーローを演じた俳優たちがまったく別の役柄に挑んだ、エンターテインメントアクションコメディ映画であり、続編として舞台版『俺たち賞金稼ぎ団』(2015年)、『さらば俺たち賞金稼ぎ団』(2017年)と、シリーズ化されるほどの高い人気を誇った作品だった。

中野氏は、坂本監督と組んでさらなるVシネマの企画を温めていたが、そこで監督がリクエストした案とは、宇宙刑事ではなく、なんと『スーパーヒロイン大戦』というものだった。すでに映画で、「スーパー戦隊」と「仮面ライダー」が一堂に会して戦うオールスター作品『スーパーヒーロー大戦』が存在しているだけに、坂本監督によるスーパーヒロイン大集合映画構想も十分に魅力的であり、当初はこの企画で中野氏と上司にあたる加藤和夫プロデューサー(東映ビデオ)、そして東映から塚田プロデューサーが話をつめていくことになった。そんな中、以前から『宇宙刑事』の続編を作りたいと考えていた塚田氏の意見が通り、企画は『スーパーヒロイン大戦』から『宇宙刑事』へと移行していったという。