2017年3月11日から公開されていた映画『劇場版ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』(田口清隆監督作品)のグランドフィナーレ舞台挨拶&応援上映が、11日に東京・丸の内ピカデリー1にて開催された。ステージには、『ウルトラマンオーブ』で主演のクレナイ ガイを務めた石黒英雄ほかメインキャストが登壇すると同時に、7月8日より放送が開始される新シリーズ『ウルトラマンジード』から主演の朝倉リク役・濱田龍臣も駆けつけ、オーブからジードへとヒーローの魂が受け継がれた。

左から濱田龍臣、石黒英雄

『劇場版ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』は、2016年に放送されたテレビシリーズ『ウルトラマンオーブ』のその後を描いた物語で、地球を宝石に変えてしまおうと企む宇宙魔女賊ムルナウが送り込む宇宙人軍団や怪獣たちに、ウルトラマンオーブが立ち向かうという筋書き。

ピンチに追い込まれたオーブにウルトラマンギンガ、ウルトラマンビクトリー、ウルトラマンエックスという歴代ウルトラヒーローが"絆の力"を託し、オーブが「オーブトリニティ」にパワーアップするのが、映画の大きな見どころとなった。また、今年で放送開始50年を迎えたウルトラセブンが、オーブたちの助っ人として駆けつける場面もあり、全編見せ場満載の娯楽特撮巨編となった。

ウルトラマンオーブに変身するクレナイ ガイ役の石黒英雄は、劇中でも効果的に使われた専用楽器「オーブニカ」のメロディーと共に登場。映画の印象を尋ねられた石黒は「みなさんに愛された映画になったと思います」と、会場に集まった大勢の親子連れを目にして笑顔でコメント。

ガイとして駆け抜けた1年を振り返り、「あっという間の1年。田口監督や、今日ここに来られているカメラマンの高橋創さんをはじめとするスタッフさんのおかげで、作品が大きくなった。すべてのスタッフさん、キャストさんに感謝しています」と、スタッフ・キャスト全員でよい作品を作り上げることができたと満足そうな顔を見せた。

そして最後には「僕がみなさんに伝えたいことは、作品の中でみんな伝えました! これから先ずっと、『ウルトラマンオーブ』いいよね、ガイもいいよね、ジャグラーもいいよね……と、ひとりひとりのキャラクターを覚えていてくれたら」と語り、時代を超えて愛される「ウルトラマン」シリーズのひとつとして『オーブ』が永遠の存在になることを願った。

怪奇現象追跡サイト「SSP(サムシング・サーチ・ピープル)」の撮影担当・早見ジェッタ役の高橋直人は、相棒のシン役・ねりお弘晃と共に映画の公開中に何度も応援上映(MOVIX亀有)の進行役を務めており、今回も子どもたちにウルトラヒーローへの応援を呼びかける重要な役割を担った。

高橋は「亀有で最初に応援上映をやったときは、恥ずかしがっていた人もいて、シンさんと『どうしよう……』なんて言ってたのですが、回を重ねるごとにみなさんが温かく見守ってくださり、声を出してくれるようになって、応援が盛り上がりました」と、自分たちの思いが客席に通じ、応援上映に確かな手ごたえを感じた模様。この1年を振り返って「撮影や放送が終わっても、いろいろジェッタとしての活動が続いていたけれど、今回グランドフィナーレを迎えて、本当に終わりだと思うと少し寂しい」と、全力で役を演じきった思いと、一抹の寂しさの両方があると語った。

SSPの頭脳的存在・松戸シン役のねりおもまた、シン役と高橋と共に応援上映の進行を務め、入場前に配られた「応援リング(応援の気持ちを光に変えてウルトラヒーローに送るアイテム)」の使い方を説明。シンとして駆け抜けた1年を「芸歴の長いほかの共演者の方と違い、僕だけド新人で、ついていくためには日ごろから努力するしかなかった。年上のガイさん、ジャグラーさんが支えてくださり、ナオミちゃんやジェッタに助けてもらいながら、なんとか1年やらせてもらえたかな……」と感想を述べつつ、今後も役者として頑張っていく決意を元気よく伝えた。

オーブの宿敵として何度も立ちはだかったライバルだが、映画ではSSPメンバーを救うなど憎めない存在感を発揮したジャグラス ジャグラーを演じた青柳尊哉は、怪し気なBGMと共に、劇中のちょっと気持ち悪いジャグラーの雰囲気そのままに登場。応援上映の雰囲気については「2回ほど行かせてもらったんですが、行くたびに応援が盛り上がっていって、映画が育っていった。みなさんのおかげだと思いました。そしてファイナルの今日、みんなが凄く声を出してくれて、シンとジェッタが今までがんばってきたことの集大成がこうしてできたんだなあ。ステキなものを見させてもらったなと思いました」と、ファンの熱い応援が作品を支えたことを実感し、感慨深げに語った。

さらに『オーブ』の1年間を振り返り、「人生が変わった1年。2016年の2月にオーディションを40分間受けて、そのたった40分で人生が変わるんだと驚きました。この1年の間に、今まで出会えなかったいろいろな人に出会えたことは忘れられません。誇らしい1年です」としみじみ話していた。最後のあいさつでは「ジャグラーがみなさんに愛してもらっていたことを教えてもらいました。またいつか、ジャグラーを演じるときが来ると思いますが、そのときはジャグラーを超えて戻ってきたいと思います。本当にありがとうございました」と、寂しい気持ちを胸に秘めつつ、大勢のジャグラーファンに感謝を述べた。

新番組『ウルトラマンジード』で主人公・朝倉リクを演じる濱田龍臣は、およそ1年間にわたってガイを演じてきた石黒の労をねぎらい、花束を持って登壇。石黒と固い握手を交わした濱田は、このステージが一般のファンと生で接する初めての機会ということで、やや緊張気味ながら、明るい笑顔であいさつ。そして「ガイさん、ジャグラーさん、シンさん、ジェッタさんお疲れ様でした! 僕もこの日のような素晴らしい大団円を迎えられるよう、共演者のみなさんと一緒にがんばります!」と、引き締まった顔つきでコメントを行った。

頼もしき後輩ウルトラマンから力強いエールを贈られた石黒は、新たなヒーローとして戦っていく濱田に「自分なりの正義を貫いて頑張って!」と声をかけ、本日の出演者のサインが入ったガイのなりきりジャケットをプレゼント。思わぬ贈り物に、濱田が感激するひと幕も見られた。

続いて、これが初公開となる『ウルトラマンジード』のスペシャル映像が上映された。新ヒーローの姿を見た石黒は「カッコいいですね。さすがベリアルの息子!」と、ジードが闇の力を秘めた「悪のウルトラマン」ウルトラマンベリアルの息子である点に着目してコメント。そして高橋は、『ジード』のメイン監督を務めるのが坂本浩一監督だということに触れ「坂本監督は、アクションシーンでの打撃の際に効果を高める"坂本パウダー"を使いますからね!」と、何やらマニアックなキーワードをぶちこんでステージ上をザワつかせていた。

そして、濱田が変身アイテム・ジードライザーを使って「フュージョンライズ」(変身)を披露すると、ステージにウルトラマンジード(プリミティブ)が登場。これに続き、石黒もオーブカリバーで変身ポーズを取ると、ウルトラマンオーブ(オーブオリジン)がさっそうと駆けつけた。最後に、映画でのガイのセリフにちなみ、石黒の合図で全員が「あばよ!」でお別れとなり、キャスト全員によるハイタッチ会でグランドフィナーレ舞台挨拶を締めくくった。

『劇場版ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』の映像ソフトは7月28日にBlu-ray&DVDが発売開始。初回限定生産の「Blu-rayメモリアルBOX」には、ジャグラー役の青柳尊哉がナレーションを務める「闇のメイキング部屋」と題した特典映像を収録している。また、ソフト発売にさきがけ、7月21日には各配信サイトにて映画のデジタル配信(デジタルセル配信、レンタル配信)を開始するという。