PwC Japanグループは6月12日、「2017年上期 世界の自動車産業の現状と展望」と題したセミナーを開催し、自動車産業を専門とするシンクタンクの分析を披露した。日本メーカーにとってドル箱市場といえる米国と、開拓すべき有望市場である中国は特に動向が気になるところ。これらの市場の先行きについてPwCの予測を紹介したい。

世界の生産台数は2019年に1億台を突破

まずは全体の総括を見ていく。PwCのシンクタンクであるPwC Autofactsの分析結果によると、世界の自動車生産台数は2016年実績の9230万台が2019年には1億台を突破する見通し。2023年には1億1200万台の規模に達するという。

2023年までの増加分のうち、66.5%は中国、インド、ASEAN諸国を含む「新興アジア・太平洋」地域が占める。中でも大幅に伸びるのは中国だ。ちなみに、日本の生産台数は同じ期間で20万台ほど減るとのことだった。

世界の生産台数は伸びるが、その大部分は新興市場での増加で、成熟市場はほぼ横ばいだ

販売台数について全体の展望はなかったが、エコカーの販売ついては2023年までの見通しが示された。それによると、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)を合わせたエコカーの販売台数は伸び続け、2016年の400万台弱が2023年には1200万台を超えるとの予測だった。この分でいくと、2023年には世界で売れるクルマの11.2%がエコカーになる計算だ。

次に、米国市場を詳しく見てみる。