【レポート】

「SLやまぐち号」新型"35系客車"は「銀河鉄道999みたい」ファンらの評価は?

JR山口線新山口~津和野間で運行中の「SLやまぐち号」に、9月から新たに35系客車が導入される。SL全盛期の旧型客車を復刻しつつ、座席にコンセントを装備し、バリアフリー対応とするなど、時代にマッチした利便性・快適性を持ち合わせた客車として新製された。6月4日に報道公開が実施され、SNS上の反響も大きかった。

「SLやまぐち号」の新客車、35系客車の報道公開が6月4日に行われた

35系客車の報道公開は6月4日、新山口駅3番線ホームにて実施され、外観の他に1~3号車の車内も公開された。その様子はネットニュースやテレビ・新聞など各媒体を通じて報道され、SNS上でも公開直後から「わざわざ新製したの?」「車内のクオリティが車両見た目よりも更に本格的」「旧型に敬意を払って新造する動きはいいですね」「新型旧型客車すごい…感動的なくらい素晴らしい」「この再現性はもはや感動ものだな…」「新潟トランシスとJR西の本気を見た気がする」など、さまざまな反応があった。

旧型客車をほぼ忠実に再現したレトロな外観・内装と、それとは対照的な最新鋭の設備とのギャップに驚く人も多く、「旧客の見た目だけどボルスタレス台車」「白熱灯もLED、板バネ台車もエアサス。何と言ってもエアコン完備」「旧型客車なのに客席にコンセント付いてる」「コンセントあって神かよ」といった声も。「まるで銀河鉄道999みたいだ」「メーテルが乗ってそう」「999の車掌さんとメーテルが居ても不思議ではない」など、往年の名作に登場する列車をイメージした人も多いようだった。

展望デッキの手すりの高さや、現行の客車より定員が減少することへの指摘もあったが、鉄道ファンらの新客車への評価は高く、「乗ってみたい」という内容のコメントが目立った。その他にも、「SLやまぐち号」に乗車した思い出をはじめ、「ELやDLにも牽引させてみたい」「つばめのテールマーク付けてみたくなる」「全国の鉄道会社は往年の名車をどんどん復活させて欲しい」などのコメントが寄せられていた。

遊びながらSLを学べるシミュレーションゲームも車内に

「SLやまぐち号」に導入予定の新客車、35系客車は新潟トランシス製、鋼製車体の5両編成。外観は「ぶどう色2号」でまとめ、車体側面に見られる形式・自重・定員などの表記も国鉄時代の書体を用いた。開放型展望デッキや開閉窓(上昇式)により、蒸気機関車の迫力ある音や煙、自然のさわやかな風を体感することもできる。

1号車は展望デッキと展望室を備えたグリーン車。客室内の座席は横3列(2列+1列)の配置で、各座席にコンセントも設置されている

1号車(オロテ35-4001)はグリーン車で定員23名。戦前・戦後の特急列車で活躍した展望車マイテ49形をモデルとしており、展望デッキを備え、窓下の白帯も再現した片側1扉の車両となる。展望室のソファは固定式。客室内の座席は横3列(2列+1列)の回転リクライニングシートで、コンセントは肘掛の下に設置された。4名用・2名用のボックスシートも備える。連結部側の扉付近に洋式トイレと洗面所、車掌室・業務用室を設置する。

2~5号車は普通車指定席。中間車の2号車(スハ35-4001)・3号車(ナハ35-4001)・4号車(オハ35-4001)は、戦前・戦後を通じ全国で活躍した客車オハ35形がモデルの片側2扉(一部1扉)の車両。座席は4名ボックスシート(シートピッチ1,700mm)でテーブルとコンセントを備える。2号車は定員64名で、3号車側に大型荷物置場と洋式トイレ・小便所・洗面所を設置。4号車は定員72名で、3号車側に洋式トイレ・小便所・洗面所を設置した。

2~5号車の座席は4人で座れるボックスシート。テーブルとコンセントも設置

「機関士体験 走れSL『やまぐち』号」(3号車)

「走れSL 罐焚き(かまたき)ゲーム」(3号車)

二重屋根構造の5号車。展望デッキも備える

3号車は定員40名。2号車側の半室がフリースペースとなり、子供たちが楽しみながらSLを学べるシミュレーションゲームを用意した。「機関士体験 走れSL『やまぐち』号」は全国初というSL列車内で楽しめるSL運転シミュレーター。機関助士の仕事を体験できる「走れSL 罐焚き(かまたき)ゲーム」も置かれている。さらに「SLやまぐち号」に関する展示スペースや販売カウンターも。3号車側の連結部付近は作業者控室となっている。

5号車(スハテ35-4001)は戦前を代表する客車オハ31形をモデルとする片側1扉の車両。先頭部に開放型展望デッキを設置したほか、オハ31形の外観上の特徴だった二重屋根構造(ダブルルーフ)やリベットによる接合、狭い側窓が並ぶ窓構成も再現した。定員は46名で、うち2名分は車いす対応の座席に。4号車側の連結部付近にバリアフリー対応の多機能トイレ(洋式)と多目的室、洗面所、車掌室、業務用室を設置している。

空車重量(最大)については「編成重量 : 定員時180t以内」とのこと。発電装置は2・5号車、電動空気圧縮機は1・2・5号車に設置されている。ブレーキ構成は「電気指令式空気ブレーキ(ブレーキ管圧力読換機能付)」とされ、設計最高速度110km/h、減速性能は4.9km/h/sとなる。併結可能形式(牽引車)として、蒸気機関車C57形・D51形の他にラッセル車両キヤ143形の名も。電気機関車・ディーゼル機関車による牽引も可能で、報道公開ではDE10形1514号機が新客車を牽引していた。

報道公開で新客車を牽引したDE10形1514号機

JR山口線新山口~津和野間で運行中の「SLやまぐち号」。現行のレトロ客車での営業運転は8月27日まで

「SLやまぐち号」の新客車、35系客車は「幕末維新やまぐちデスティネーションキャンペーン」(2017年9~12月開催)に合わせ、9月最初の運転日から導入されるとのこと。これにともない、現行のレトロ客車を使用しての営業運転は8月27日が最後となる予定だ。なお、8月1日に「SLやまぐち号」復活運転38周年記念イベントとして、蒸気機関車C57形・C56形による重連運転が行われる予定となっている。

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