それでは、プライベートカンパニーを設立するメリットとデメリットを見ていきましょう。

プライベートカンパニーのメリット

■経費として計上できるものが多い
プライベートカンパニーでは、事業に関わる部分の支出を経費として計上することができます。家賃や旅費、車両費などのほか、不動産であれば減価償却費など、様々な費用が含まれます。

■法人として海外の保険に加入ができる
個人の場合、海外で販売されている生命保険に加入することはできません。プライベートカンパニーを設立すると、法人名義で運用益の高い海外の保険に加入できるようになります。また、払込保険料の全額あるいは半分を経費として処理できる法人保険を利用することも可能です。

■相続対策が楽になる
個人所有の不動産では、持ち主が亡くなったときに相続が発生しますが、法人名義であれば相続人へ法人の株式を継承することになり、節税効果だけでなく手間も省くことができます。

プライベートカンパニーのデメリット

■初期費用や経費がかかる
はじめは法人設立のための費用や、資産の名義を法人に変更するための登記費用、その他、税理士や公認会計士に相談するための顧問料などがかかります。

■設立や運営に手間がかかる
設立のほか、事業内容によっては運営に手間がかかる場合もあります。そうした面倒を差し引いたとしても、プライベートカンパニーを設立して資産形成を行うメリットは大きいと言えるでしょう。

収入が増えない中、税金などの支出が多くなっていくと、節約だけでは限界を迎えるときが来るかもしれません。そうなる前に、自分で収入を増やす手立てを持っておくことは、家計を守る賢明な選択といえます。サラリーマンを続けながら、小さな事業を作ることで将来の大きな安心を手に入れられるかもしれません。

筆者プロフィール:武藤貴子
ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント
会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。FP Cafe登録FP。