【インタビュー】

牧野由依「すべて詰め込むことができた」 - 新曲「Reset」「Colors of Happiness」の思い

1 日常的な感情から導き出したキーワード

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声優、そしてアーティストとして活躍する牧野由依のニューシングル「Reset」が、2017年6月7日にリリースされる。

本作は、2017年4月より放送開始となり、自身も声優として出演するTVアニメ『サクラダリセット』のオープニングテーマ「Reset」と、第2クールのエンディングテーマで牧野本人が作詞を手がける「Colors of Happiness」を収録。さらに本シングルは3形態でのリリースとなるが、初回限定盤Bには、アニメ本編の第1話と第2話のみで使用された「Reset ~Acoustic Version~」が収録されている。

「Reset」および「Reset ~Acoustic Version~」では、牧野自身がピアノ演奏で参加するなど、牧野由依のさまざまな魅力を詰め込んだニューシングル「Reset」の発売を前に、牧野由依が語ったメッセージを紹介しよう。

牧野由依 撮影:荒金大介

牧野由依が語るニューシングル「Reset」

――ニューシングル「Reset」が6月7日にリリースされますが、発売を直前に控えた率直な感想はいかがですか?(取材は5月)

今回の作品はレコーディングもかなり前で、出来上がってからリリースするまでの期間もけっこうあったので、やっと皆様のお手元に届けることができる! というのが率直な感想です。

――「Reset」では、歌だけではなくピアノ演奏も担当なさっています。

最終的に楽曲が決まったのは去年の年末くらいだったのですが、とてもピアノが印象的な楽曲だったので、その時点で「もし良かったらピアノも弾かせてもらえませんか? 」と私からお願いしました。「Reset」を作曲した滝澤(俊輔)君が、大学時代からのお友達ということもあって、譜面もお願いしやすいし要望も出しやすい(笑)。何より、素直に滝澤君の曲を弾いてみたいという気持ちがありました。あと、『サクラダリセット』で音響監督をなさっている亀山(俊樹)さんと、以前お仕事でご一緒させていただいたとき、収録後のお食事会かなにかの時の本当にたわいもない会話の中で、「ピアノを弾いたり歌ったり『牧野由依ができること』を役で全部反映できたら面白いね」と仰っていただいていたんです。今回は役で、というわけではないですが、亀山さんとのあの日のお話を実現できる機会だと思い、ピアノを弾かせていただくことになりました。

――TVアニメの第1話と第2話で使用された"Acoustic Version"では、より牧野さんのピアノが印象的になっています。

Acoustic Versionのお話は後からいただきました。かなりスケジュールがタイトだったので、できることなら他の方にお任せした方が……という気持ちもありました。ただ、Acoustic Versionは『サクラダリセット』の1話と2話において、単なるオープニングではなく作品のバックに流れるという感じの使われ方になっていたので、より作品に深く入り込むためにも、自分でピアノを弾いたほうがよいと思い、Acoustic Versionも弾かせていただくことになりました。

――そして第3話からは満を持してのオリジナルバージョンの登場となったわけですが、あらためて、最初に楽曲を聴いたときの感想を教えてください。

実はコンペで最後に残った2曲のうちの1曲が「Reset」だったのですが、滝澤君がコンペに参加してくれているという話は事前に聞いていたので、初めて聴いたときから「この曲がそうじゃないかな」っていう雰囲気を感じました。「溢れ出る滝澤臭」みたいな(笑)。彼の曲は本当にキラキラしているんですよ。そして良い意味でこれまでの私の楽曲の雰囲気を要素として少し残してくれている。印象的なコーラスワークやストリングス、そしてピアノが入りつつ、キメのリズムパターンがより一層疾走感を際立たせていて、メロディにはどこか憂いがあり、その上にキラキラしたものが乗っかっている。こうなると、もう滝澤君しか思いつかなくて。

――これまでにも滝澤さんとは何度かコンビを組んでいらっしゃいますが、「アイドルマスターシンデレラガールズ」のキャラクターソングが最初になりますか?

本当に偶然で、すごくビックリしました。最初に譜面をもらったときに作家の方のお名前は書いてなかったのですが、何となく「音大とかを出られている方の譜面だな」って思っていたんですよ。

――譜面を見ただけでわかるんですね。

わかりますわかります。そして曲を聴いたら「何か東京音楽大学の人っぽい雰囲気だな」って。学校ごとにニオイのようなものがあるんですよ。独特の雰囲気のようなものが。そしたらレコーディング前のキーチェックのときに、滝澤君のマネージャーさんがいらっしゃって、「今回、曲を書かせていただいているのは滝澤なんですよ」って仰るんですけど、その頃は滝澤君と特に連絡を取っていなかった時期なので、「どちらの滝澤さんでしょう?」って(笑)。同じ大学の滝澤君だと知ったときは本当にビックリしました。当の本人はすでに知っていたようで、「レコーディングの日に行ってビックリさせようと思っていた」そうです。

――そういう意味では、牧野さんの良いところを知り尽くしている滝澤さんの楽曲に、Manamiさんの歌詞が乗っているわけですが、歌詞を最初に見たときの印象はいかがでしたか?

素直に『サクラダリセット』の世界だなって思いました。

――実際に歌ってみて好きなフレーズなどはありますか?

よく聞いていただくんですけど、やっぱりどこがというよりも全部が好きです。『サクラダリセット』自体、一部だけを切り取ってお話が完結するような作品ではないと思っていて。だからそれをベースに作られている「Reset」も、一部分だけを切り取って完成するような歌ではないと思っています。あとは視点が変わっていくところもありますから、どこか一部分というのは難しいです。

――『サクラダリセット』には、声優としても出演なさっていますが、「Reset」を歌う際は、どういった視点で歌っていらっしゃいますか?

まず、キャラクターはまったく関係ないですね。どちらかというと外から見ているイメージ。あまり作品の中に入り込んでしまうと、どうしても視点が限定されて誰かの気持ちで歌うみたいな感じになってしまうじゃないですか。しかも今回の歌詞には視点が変わるところもあったので、あまり心情に寄り添ってしまうと、最終的に"これは誰の歌?"みたいになってしまいそうだったので、「『サクラダリセット』という作品を知っているアーティスト・牧野由依」というポジションで、距離を少し置いて歌わせていただいています。

――「Reset」ではミュージックビデオも撮られていますが、こちらも『サクラダリセット』の世界観で撮影されているのでしょうか?

ストーリー的にはあえて別物にしていただいたのですが、『サクラダリセット』をご覧になった方が、"このアイテム作品の中で見たことある"みたいな感じで、アニメとリンクしてもらえるような要素もパラパラっと織り交ぜていただいています。ポラロイド写真とか屋上に向かう階段とか3人が出会った屋上とか。なので、そういったあたりにも注目してもらえると面白いと思います。

――一方、『サクラダリセット』第2クールのエンディングとなる「Colors of Happiness」では、牧野さん自身が作詞をなさっています。

「Reset」が『サクラダリセット』の世界観にガッツリと寄り添っている曲なので、普通に作品からのインスピレーションで詞を書いてみると、何となく似通ったものになってしまうんですよ。実際に書き出してみると、ワードが被ってしまったりもする。そういった経験を重ねるうちに、「私は作品にガッツリと寄り添うのではなく、何か別の手法を考えないとダメだな」と思い、あらためて原作を読み直しました。最初に読んだときは、声優として村瀬陽香の視点で読んでいたのですが、今度は誰の視点でもなく、本当にフラットな状態で読み直してみて。あくまでも作品に寄り添いながらも、あえて作品を読んだことのない方でも共感できる、日常的な感情を描く方向に振ってみました。

――そこから導き出されたキーワードが"幸せの色"。

『サクラダリセット』という作品では、主人公のケイ君が、みんなが"幸せ"になれる最善の方法を探していくというのが、ストーリーにおけるひとつのテーマになっていると思うのですが、その"幸せ"は誰が決めるのかというと結局、当の本人にしか決めることができない。それなのに相手のことを思えば思うほど、幸せの形が自分と他人とでは違うということを認識できなくなってくる。「自分が幸せだと思うものは、当然相手も幸せだと思うだろう」って思い込んでしまうんですよ。だからみんなが幸せになれる最善の形をとるというのは、究極の自己犠牲であり、究極の優しさ、究極の愛情であり、そして究極のわがままではないかと思います。

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目次
(1) 日常的な感情から導き出したキーワード
(2) 最近感じた"幸せ"とは
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