前出のBloombergの記事でその理由について、iPadの販売減少とMicrosoft対抗の意味合いが強いと分析している。筆者の推測ではあるが、教育用途も含めたデベロッパーの一定の広がりを確保するため、MacBook Airの低価格ライン、特に11インチモデルは残されてきた。だがiPhoneやiPadの利益率に比べれば、MacBookはビジネス的にはそこまで美味しいわけではなく、特に下位の製品ラインを中心に一般ユーザーをiPad Proへと誘導すべくiOSとiPad自身の強化を続けてきたという背景がある。現在、この目論見はうまくいっておらず、Appleとしても既存ビジネスに対する需要がまだ強いことから、MacBook製品群を下位モデルも含めて維持強化していくことで対応していこうと考えているのではないだろうか。

実際のところ、仮にアップデートが行われるとしても筐体デザインの変更を伴わないマイナーアップデートにとどまり、WWDC基調講演の貴重な時間を割いてまで製品を事細かに説明する可能性は低いと筆者はみている。プロセッサは現行製品群がIntel最新の「Kaby Lake」、つまり第7世代Intel Coreプロセッサへと置き換えられる。そしてMacBook Airは13インチのみのアップデートにとどまるだろう。前回製品購入から2-3年以上経過したユーザーが買い換え候補に挙がるくらいのラインナップだと予測する。

詳細は後述するが、Appleが開発中のAIチップが何らかの形で包含される可能性もゼロではない。とはいえ内容的には全体に小粒であり、WWDCそのものでの発表は行われずにサイレントアップデートとなる可能性も否定できない。