デパートで販売、用途は「自分へのご褒美」

高級パナップは11万個弱の数量限定商品で、このうちプレミアムセットは6300セットとなる。発売店舗はそごう横浜店、松坂屋名古屋店、高島屋大阪店、西武池袋本店、大丸札幌店の5カ所。販売期間は店舗によって異なるが、発売は最も早い店舗で7月1日、販売終了は最も遅い店舗で8月1日の予定となっている。

デパートのみの販売で、専用ギフトボックスが付くプレミアムセット。時期的に、お中元の需要を狙った商品なのかとも思ったのだが、高級パナップは持ち帰り専用の商品で、ギフトとしての配送には対応しないという。アイスは受取人が不在だった場合に商品価値が低下するし、数量限定であるため、不在だった届け先に新しい商品を送り直そうとしても、すでに商品が用意できなくなっているケースが考えられるからだ。今回の高級パナップ、用途はあくまで「自分へのご褒美」という位置づけになるそうだ。

デパートには専用の販売スペースを設ける

高級パナップは新しい取り組みで、今年の販売にはテストマーケティングの側面もある。江崎グリコ・アイスクリームマーケティング部の小山人志氏によると、デパートでのアイスの販売は増えており、市場としては追い風であるため、高級アイスの取り組みは少なくとも数年単位で続けていきたいとのことだった。

カップアイス界でトップ陥落、高級商品で逆襲

パナップは日本で「パフェ」という食べ物が市民権を得るのを追いかけるようにして売れていった商品だ。1980年代から1990年代にかけてはカップアイスでトップの販売数を誇ったが、その後はハーゲンダッツや明治エッセル「スーパーカップ」などの台頭を受けて、カップアイス界でのポジションを5位まで下げていた。

知名度は抜群だが、当たり前すぎる存在になってしまった結果なのか、販売数のランキングでは順位を落としてきたパナップ。江崎グリコが高級パナップを投入する背景には、話題を呼びそうな商品を投入してブランドを再び活性化し、スーパーで買える普通のパナップも含めた存在感を高めたいとの考えがあるようだ。

高級商品でパナップの存在感を高められるか

江崎グリコの小山氏は、高級パナップで顧客との「切り口を変えたコミュニケーション」を試みたいと話していた。「パナップが2個で2500円」の衝撃が、どのくらいの話題を呼べるのか。そこが最大の焦点となりそうだ。