5月に発売されたドイツ車、アウディ「Q2」がクルマに興味のある若い人の間で注目されているらしい。理由は299万円からという価格にあるようだ。アウディとしては安い。では中身はアウディらしいのだろうか。試乗しながらチェックしてみると、単純には答えられない構造があった。

アウディ「Q2」の発売記念限定車「1stエディション」

トヨタ「C-HR」と似たサイズ感、価格差は50万円以下

アウディと言えばメルセデス・ベンツ、BMWと並ぶドイツのプレミアムブランド御三家。クルマに興味のある人の多くが一度は所有してみたいと思っているだろう。そのアウディが送り出した新型車、しかも人気のSUVが299万円。ということでQ2が注目を集めている。

アウディには現在、「A1」と「A3」というハッチバックの車種がある(A3にはセダンもある)。さらにA3と同格のSUVとして「Q3」もある。となれば、Q2がA1とA3の中間のボディサイズを持つSUVであることが想像できる。

ボディサイズは全長4205mm、全幅1795mm、全高1520mm。長さについては確かにA1より長く、A3やQ3よりは短い。さらに幅を1800mm以内、高さを1550mm以下に抑えてあるので、日本の多くのタワーパーキングに収まる。

日本のタワーパーキングに収まるサイズ感

この全幅と全高は、今年4月に軽自動車を除く国内新車販売台数No.1に輝いたトヨタのSUV「C-HR」とほぼ同じだ。一方、値段で比べると、C-HRのガソリン車は、アウディをはじめとする欧州車が多用する、ダウンサイジングターボエンジンに4WDを組み合わせるというコストの掛かるメカニズムを採用していることもあり、価格が250万円以上となる。Q2との価格差は50万円に満たない。

似たようなサイズのトヨタ「C-HR」

新世代プラットフォームMQBを採用

ちなみに299万円のQ2は、A1にも積まれている1リッター直列3気筒ターボエンジンを採用している。このことから、プラットフォームもA1と共通と予想した人がいたようだ。しかしアウディジャパンの説明では、Q2のプラットフォームは、アウディでは現行A3で初採用された、MQBと呼ばれる新世代プラットフォームを用いているという。

MQBはアウディも属するフォルクスワーゲン・グループの横置きエンジン用プラットフォームとして新開発され、現行「ゴルフ」に使われていることで知られている。噂では次期「ポロ」にもこのMQBが使われるそうなので、Q2の車格がこのプラットフォームを使うのは予定どおりなのだが、Q3は一世代前のプラットフォーム。この点でもQ2には価値がある。